後遺症や再施術必要が15% 性別適合手術、7割は「満足」

中国新聞 2013.7.10
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp201307100169.html
後遺症や再施術必要が15% 性別適合手術、7割は「満足」


 心と体の性が一致しない性同一性障害がある人々の団体が実施した、性別適合手術の実態調査で、国内や海外で手術を受けた105人の約70%にあたる73人が「手術に満足」と回答した一方、術後に「重篤な障害が発生した」「再手術が必要となった」と回答していた人も約15%の16人いたことが10日、分かった。

 性別適合手術をすれば戸籍変更ができるようになることを定めた性同一性障害特例法が成立して今月で10年。GID性同一性障害)学会によると、海外の病院の受診者を含む調査は初めてで、手術の実態の一端が明らかになった。専門家は「手術ごとに内容が異なるので、16人が多いか少ないかは一概に言えない」としている。

 調査をしたのは「日本性同一性障害と共に生きる人々の会」。昨年5月、東京都新宿区の診療所「湊川クリニック」(廃止)で乳房切除手術を受けた20代の女性が死亡したことを受け昨年8〜10月、団体のホームページなどを通じて実施。1995〜2012年に手術を受けた、国内に住む22〜80歳が回答した。

 回答結果によると、直近の3年間に手術を受けた人は、手術を受けた人全体の約半数。医療機関は大学病院が14人、国内のクリニックが34人、タイの病院が42人など。

 術後に「重篤な障害が発生した」と回答したのは5人で、腸閉塞へいそくや排尿障害など。手術を受けた医療機関は海外の病院が2人、国内の小規模クリニックが2人。1人は国内の複数のクリニックや病院だった。