あまり知られていないが、ICD10のフェティシズム的服装倒錯症の診断基準はかなりマニアック。
>F65.1フェティシズム的服装倒錯症 Fetishistic transvestism
A. 性嗜好障害(F65)の全般基準を満たすこと。
B. 反対の性としての外観や感情を作り出すために、反対の性の品物や衣服を着用すること。
C.反対の性の服装を着用することは、性欲の喚起と密接に関連していること。いったんオルガズムが起こり、性欲の喚起がやめば、衣服を脱いでしまいたくなる。
特に興味深いのは、「いったんオルガズムが起こり、性欲の喚起がやめば、衣服を脱いでしまいたくなる。」
という箇所。
つまり女装してマスターベーションして、射精したあと、フェティシズム的服装倒錯症なら、女装をすぐにやめてしまいたくなるのだと定義している。
これは何を意味するかというと、性同一性障害(性転換症)であれば、射精後もそのまま女性姿でいるだろう、ということだ。
つまりICD10における、フェティシズム的服装倒錯症と性同一性障害の鑑別のポイントは
女装マスターベーション後に脱ぐか脱がないかである。
明快といえば実に明快な診断基準ではあるが。