人模様:性同一性障害への理解を−−月嶋紫乃さん

http://mainichi.jp/select/wadai/news/20110207dde007070064000c.html
人模様:性同一性障害への理解を−−月嶋紫乃さん
 体と心の性が異なる「性同一性障害」(GID)を題材にした創作劇「カミングアウト」が先月末、東京の吉祥寺シアターで上演された。女優の月嶋紫乃さんが代表を務める演劇集団「トランス☆プロジェクト」の新作で、「体は女、でも心は男」と打ち明けた若者をめぐり、家族や周囲の反応などをダンスなど身体表現を織り交ぜて描いた。

 性転換手術の報道をきっかけに有志で勉強会などを開き、00年にGIDジェンダー(社会的性差)をモチーフに演劇の公演を始めた。冴瑪(さえば)悠さん(33)ら当事者も出演している。

 「今回が6回目の公演。当事者の視点が中心だったこれまでの作品から一歩進め『ありのままの自分を認める』という普遍的なテーマにアプローチした」と月嶋さん。20歳のときにカミングアウトした冴瑪さんは「誰にも言えなかったことを勇気を持って話すという意味で、みんなの問題として考えられる芝居だった。こうした活動を通じて理解を広めていきたい」と話した。【明珍美紀】

毎日新聞 2011年2月7日 東京夕刊