石丸径一郎:性的マイノリティと「うそ」. こころの科学NO.156/3-2011、P66-69
石丸先生の論文拝読。
性的マイノリティの「うそ」を、当事者の生きていくための工夫という観点から考察している。
LGBに関しては、「異性愛者を装う」うそをつく、と指摘する。
その結果、うまく適応できることもあれば、逆にストレスの要因にもなるという。
性同一性障害に関しては、カミングアウトとの関係で考察している。
当事者の適応に重要なのは、当事者自身はパスにこだわるが、実際には人間関係の能力や社会的スキルであると指摘する。
すなわち、
「カミングアウトするのであれば上手にわかりやすく説明し、相手のこころを動かす能力、カミングアウトしないのであれば、つじつまが合わない部分を上手に逸らすような能力がある人であれば、見た目のいかんによらず、適応的に生活しているように思われる」
と述べる。
興味深い論文でした。
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