「MILK ゲイの市長と呼ばれた男、ハーヴェイ・ミルクとその時代」を買おうと思ったら、ありがたいことに映画化のおかげで文庫化されて、本屋に平積みにされていた。
読み出して、「drag queen」を「ドラッグクィーン」「女装のゲイ」「女装のホモ」と3通りに翻訳していて、一つに統一してほしいな、とぶつぶつ最初は言っていたが。
途中からそういう細かいことはどうでもよくなって。
画像より活字から情報をインプットするタイプなので、映画より深く心にしみこんだ。
映画ではあら筋をたどったにすぎず、本書で初めてミルクの人生の詳細を追体験できた。
ミルクを殺害した、市政委員ダン・ホワイトについて言えば
「市政委員なのにミルクを殺害した」のではなく、
「市政委員だからこそミルクを殺害した」と言うことがよく分かった。
すなわち「ホワイト」と言う名前が象徴的なように、「白人」で「純真」なホワイトは、その「正義心」、「道徳心」からミルクを殺した。
狂った一人の人間としての殺害行為ではなく、「正義心」「道徳心」と言う名のゲイへの憎悪・殺意を持つ何千何万と言う人の代表者として、ミルクを殺したのだ。
それゆえ、ミルクの死後、警察官は喜び、陪審員はホワイトに軽い罪しか与えなかった。
「銃弾が僕の脳に突きささるなら、そのまま貫通させて、すべてのクローゼットの扉を打ち破らせてくれ」
の解釈については、ミルクの遺言テープの中に、該当箇所があったので引用。
下のP180
>「暗殺が起こったあとどうすればいいのか。このテープはそれを説明する役割も持っている。一部の人が腹を立て、挫折感を味わい、激怒するのを止めることはできない。だが、どうかそんな挫折感や怒りに耐えてもらいたい。そしてデモ行進やそういったたぐいのことをやるのではなく、権力をかちとってもらいたい。五人、一〇人、一〇〇人、一〇〇〇人が立ち上がるのを望む。ゲイの医者やゲイの弁護士、ゲイの建築家がすべて名乗りをあげ、立ちあがり、世界に知らしめる姿を見てみたい。その効果は予想をはるかにこえ、一夜にして偏見を打破することができるだろう。ぜひともカムアウトしてほしい。それは、われわれが権利を獲得する唯一の道だ。」

MILK(上)-ゲイの「市長」と呼ばれた男、ハーヴェイ・ミルクとその時代 (祥伝社文庫)
- 作者: ランディシルツ,藤井留美
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/04/14
- メディア: 文庫
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MILK(下)-ゲイの「市長」と呼ばれた男、ハーヴェイ・ミルクとその時代 (祥伝社文庫)
- 作者: ランディシルツ,藤井留美
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