精神科医と白衣

精神科医が白衣を着るかどうかは結構難問。
白衣の意味としては。


1. 衛生管理
患者さんの血液や体液からの防御。および、清潔を保つことで患者さんへの感染の防御。
しかし、精神科医はあまり採血や注射などしないので、この意味は乏しい。
また、実は白衣は着替えず何日も着る医者が多く、逆に不潔であることも多い。


2. シンボル
医者の象徴として。
プラスの効果としては、安心や信頼を与える。
マイナスの効果としては、緊張を与える。血圧測定時に、相手が白衣を着ていると「白衣効果」で血圧上昇することが知られる。
精神医学においては、白衣は医師の権威の象徴、すなわち精神病者の人権を抑圧する象徴として、ネガティブに評価されることもあった。
そのため、白衣派(生物学的に精神医学を捉える)と非白衣派(精神病者の人権解放として精神医学を捉える)の間で長いバトルの歴史あり?
ただ現実問題としては、状況認知が困難な急性期の患者さんでは、一目見て医者であるとわかるほうが安心感を与えるので、現在は急性期病棟では白衣着用する場合が多いか。
一方で慢性期病棟や社会復帰病棟では、一般社会に近い雰囲気を出すためにも、白衣を着ないことも多いか。


3. 気分の切り替えとして。
他の制服と同じく、白衣を着ることで「これからは医者としての勤務時間」のような自覚を持たせる。


と、そんな感じだが、自分の場合。
1.採血や筋注もけっこうするが、ユニクロ毎日洗濯するほうが清潔。
2.狭いクリニック内で自分が医者であることは、白衣を着なくても明白。
3.オンオフの切り替えに乏しく、24時間だらだらと医者をやっているので、気分の入れ替えはない。


ということで、今は仕事着はユニクロ


なおスーツは、ホワイトカラーが着るものなので、会議などは別にして、仕事着としては着ない。