サザン桑田が生んだ「ニューハーフ」ベティ容疑者逮捕

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サザン桑田が生んだ「ニューハーフ」ベティ容疑者逮捕
7月18日8時1分配信 スポーツ報知

 ニューハーフの草分け的存在の「ベティ」こと春山学容疑者(52)=大阪市在住=が風営法違反(無許可営業)の疑いで17日、大阪府警南署に逮捕された。ベティ容疑者は、店長を務める大阪市中央区東心斎橋2丁目のショーパブ「Bettyのマヨネーズ」で、風俗営業の許可を受けずに客に飲食を提供して接待していたという。ベティ容疑者は1980年にサザンオールスターズ桑田佳祐(52)の提供した曲で歌手デビュー。その際に桑田がつけたキャッチフレーズが「ニューハーフ」だったという。

 ベティ容疑者が店長を務める大阪・ミナミのショーパブ「Bettyのマヨネーズ」は、1985年に開店した“老舗”。全国からの団体客が押し寄せる大阪の観光スポットの一つになっている。

 同店のスタッフによると、ベティ容疑者が逮捕される前日の16日午後7時40分ごろ、家宅捜索が入った。店内には客50人がおり、さらに団体客20人が入店するタイミングでの捜索でごった返していたという。ニューハーフ13人、スタッフ5人が人であふれかえるミナミの繁華街を徒歩で南署へ連れて行かれ、不在だったベティ容疑者は午後9時ごろに南署へ出頭、翌17日の逮捕になった。

 署内では同店常連の警察官から「改善されたら、また(店に)行くからね」と声をかけられたそうで、スタッフの一人は「プライベートで遊びに来てくれた時に注意してくれたら…」と無念そうに話した。

 ベティ容疑者は、その独特の美しさと男らしさを内に秘めた声色で、ニューハーフタレントとして活躍。関西ではテレビ番組でもおなじみの存在だった。同店ホームページのプロフィルによると、1980年にサザンオールスターズ桑田佳祐のプロデュースで歌手デビュー。その際に桑田が、ベティの「男と女のハーフ」という自己申告を受けて「ニューハーフ」という言葉を生み出したという。

 調べではベティ容疑者らは16日、風俗営業の許可を受けずに客に飲食を提供し接待した疑い。店舗を道路をはさんで斜め向かいにある今の場所に移転した2006年2月以降、無許可で営業を続けていたという。従業員が接待する様子を写した写真が、ホームページに多数掲載されていた。

 南署は同店経営者の中塚勉容疑者(62)、経理担当者ら4人も逮捕。ベティ容疑者は「私は雇われ店長で、中塚容疑者が許可を取っていると思っていた」と供述。中塚容疑者は「許可を取らせておらず、反省している」と話している。

 この日、店は休業したが、18日には早くも営業再開予定。ホールの責任者は「ニューハーフは席にはつかず、ウエートレスとして通常の飲食店としてやります」と弁護士を交えた従業員ミーティングを開き、風俗営業にあたらないためのルール厳守を徹底させたという。また、トップレスも披露していたショーでは「自主規制として、ポロリをやめます。といっても男性ですが…」と自粛ムードいっぱいだった。

 ◆ベティ 本名・春山学。1955年11月24日、鹿児島県生まれ。52歳。ニューハーフという呼び名の元祖。74年に大阪・北新地のゲイバーでアルバイトをしていたのが話題になり、テレビ出演。80年にはサザンオールスターズ桑田佳祐が作詞・作曲し、後に原由子も歌う「I LOVE YOU はひとりごと」で歌手デビュー。96年からニューハーフによるレビューの演出を手掛けている。演歌歌手・小林幸子のプロデュースを受けたことも。