http://www.47news.jp/CN/200705/CN2007051301000498.html
埼玉医大が性転換手術中止
教授定年、30人キャンセル
2007年05月13日 22:05 【共同通信】
心と体の性が一致しない性同一性障害の治療に積極的な埼玉医大が、担当教授の定年退職などで態勢が取れないとして、性転換手術(性別適合手術)を今月から中止したことが13日分かった。
手術は最終的な治療手段とされているが、10月までに予定していた少なくとも30人の患者はキャンセルとなった。
埼玉医大は1998年に、正当な医療としての性転換手術を国内で初めて実施するなど草分け的存在。国内に1万人以上と推定される患者への影響は大きいとみられ、山内俊雄学長は「准教授を中心に、なるべく早く再開したい」としている。
3月末まで形成外科の教授として担当してきた原科孝雄氏によると、定年後も特任教授として治療を続ける約束が大学側とあったが「3月末にほごにされた」。4月分の患者の治療を終えて大学を去り、10月まで予定が入っていたほかの患者には断りの手紙を出した。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20070514i304.htm?from=main3
埼玉医科大、教授の定年で性転換手術を一時的に中止
「性同一性障害」の治療の一環として、多くの性転換(性別適合)手術を実施してきた埼玉医科大(埼玉県毛呂山町)が、担当教授の定年退職により、執刀医師がそろわないなどとして手術を一時的に中止していたことが14日、わかった。
9月までに手術の予定を入れていた患者には手紙でキャンセルを伝えたという。
同医科大は1998年、男性への性転換を望む女性に、正式な医療行為としては国内初の性転換手術を実施した。その後、300人を超える乳房切除や性器形成などの手術を行っている。
同医科大では、性転換手術を担当していた原科(はらしな)孝雄医師(形成外科教授)が今年3月末で定年。技術を受け継ぐスタッフが十分ではなく、チーム医療態勢が取れないことなどを理由に、4月末で手術を中止した。
同医科大は今後、医療態勢が整えば手術を再開する予定にしている。手術以外の精神的なケアなどの治療については継続する。
性同一性障害は、心と体の性が一致しない障害で、全国に約1万人の患者がいるとされる。そのため、国は性同一性障害者性別特例法を2004年から施行し、戸籍上の性別変更を可能とした。同法は性転換手術を受けていることも性別変更の条件としている。
(2007年5月14日11時59分 読売新聞)
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20070515k0000m040111000c.html
性別適合手術:埼玉医科大が一時中止決定 担当教授定年で
心と体の性の不一致に悩む性同一性障害(GID)の患者に性別適合手術を行ってきた埼玉医科大(埼玉県毛呂山町、山内俊雄学長)が14日までに、「チーム医療の体制を整える必要がある」として同手術の一時中止を決めた。担当教授の定年が直接の理由で、10月までに予定していた患者約30人の手術はキャンセルされた。同大は「スタッフを補充するなどして、早く再開できるよう努力したい」と説明している。
同大は98年、正当な医療行為としては国内で初めて性別適合手術を実施、これまで約350例を手がけた。
同大によると、同手術を担当してきた形成外科教授の原科孝雄氏が3月末で定年を迎えた。原科氏は取材に「定年後は特任教授になり治療を続けるとの約束をほごにされ、大学を辞めることにした」と語った。4月まで手術を行い、その後に予定されていた患者には断りの手紙を出したという。GDI患者に対する同大の精神療法やホルモン療法は継続されるという。
山内学長は「原科先生とは定年後の待遇で意見の相違があった。患者さんに迷惑をかけ申し訳ない。手術は継続する方針。准教授を中心に早期再開に努めたい」と話している。【鈴木賢司】
毎日新聞 2007年5月14日 21時21分 (最終更新時間 5月14日 22時36分)