変えてゆく勇気―「性同一性障害」の私から

『変えてゆく勇気―「性同一性障害」の私から』を読む。
http://www.iwanami.co.jp/hensyu/sin/sin_kkn/kkn0702/sin_k342.html

変えてゆく勇気―「性同一性障害」の私から (岩波新書)

変えてゆく勇気―「性同一性障害」の私から (岩波新書)

「男性」から「女性」として生きるようになった上川あやさんの自叙伝。


自分史、性別移行、世田谷区議選挙、特例法、区議としての活動、などなどの豊富な内容が平易な文章に情熱を秘め記されている。
知っていたはずのエピソードも、あらためて感銘を受けたり、はじめて知るエピソードに驚かされたり。
もちろん主たるテーマに性同一性障害があるのだが、それにとどまらず人間にとって普遍的に大切なものは何かを考えさせられる。


ただ、タイトルの「変えてゆく勇気」のとおり、上川さんが人生のさまざなことを選択し、決断し、人生を切り開いていったことが描かれているのだが。
個人的には、一つ一つの出会い、出来事を含め、なにか、上川さんには最初からそういった運命があって、そのさだめに従って生きてきたようにも感じられた。


人の人生とはまことに不思議なものである。