統一地方選:性同一性障害の諸派新人は落選 名古屋市議選

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統一地方選:性同一性障害諸派新人は落選 名古屋市議選

毎日新聞 2015年04月13日 00時26分(最終更新 04月13日 02時25分)


 名古屋市議選中区選挙区(定数3)で、性同一性障害を持つ諸派新人の安間優希(あんま・ゆき)氏(45)が落選した。戸籍上は男性だが、女性として届け出て立候補し「性的少数者だからこそ、弱者、少数者の声を議会に伝えたい」と訴えたが、及ばなかった。安間氏は事務所で「たくさんの方に応援していただいたのに申し訳ない。さまざまな少数者の要求をどうやったら実現できるか。これからも前向きに活動していきたい」と語った。

 「男から女になった私にとって、がらがらの声で話すのは恥ずかしいですが、頑張ります」。選挙戦はスカート姿で街頭に立った。

 中学生の頃、男性として生きることへの違和感が芽生えた。女性と結婚したが、38歳で家族や職場に障害を告白し、女性として生きる道を選んだ。2011年に性的少数者を支援するNPO法人を設立。「行政支援を得るには政治の力が必要」と出馬を決意した。

 選挙期間中、中年男性から「性的少数者って何?」と尋ねられたり「普通の女性と同じなんですね」と声をかけられたりした。「若者たちから『頑張って』と握手を求められ感動した。世の中を変えていくことに貢献できたと感じた」。一方で性的少数者とみられる人たちが周りに気づかれないよう小さく手を振る姿に、肩身の狭い思いをする人々の存在を改めて感じた。

 国内では03年の東京都世田谷区議選で、上川あや氏が性同一性障害を公表して立候補、当選している。【加藤沙波、岡大介