性同一性障害の心理・社会的問題

都築忠義:性同一性障害の心理・社会的問題.
精神科、9(3):242-245,2006


は、わが国初(?)の、子供の性同一性障害のついて論じたすぐれた総説であるが。


P242
>同新聞についての針間克彦によるコメントのように、


そういう人物はいるような、いないような。
それはともかく。


P245
>治療について
治療は、安定した人格の形成を目指し、仲間からのつまはじき、精神病理、性同一性障害(性転換症)、同性愛の予防を目的として行なわれる。


と書いているのだが、
一方で、


P245
>主要な治療目標
小学校・中学校などでは担任、校長、他の保護者に理解を求め必要な対策をとることが大切である。基本的には自身の「望む」性に合った性定型的行動の展開を認めることである。


と書いている。
>「望む」性に合った性定型的行動の展開を認める
ならば、
性同一性障害(性転換症)、同性愛の予防
にはならないと思うのだが。


まあ、結局のところ、小児の性同一性障害については、
「体のジェンダーに一致するように直せ」
「心のジェンダーを尊重しろ」
の論争があるわけで、その両派の言い分を総論に無理にまとめたから、なんかわかりにくい論文になったわけなのだが。