京大アメフトレイプ事件そのものはともかく。
毎日新聞の内田樹氏のコメントがちょっと気になる。
>▽内田樹(たつる)・神戸女学院大教授(仏現代思想)の話 現代の若者は、長い目で見た時、自ら取った行動がどのような結果をもたらすか、という未来を予測する能力が欠如しているのではないか。最近では、京都府宇治市の進学塾で、反抗的な態度を取った生徒を、先生である大学生が殺害するという痛ましい事件が発生した。目の前の快楽をただ得るために、一生、大きな不快を背負うということが理解できなくなっている。背景には「大衆社会化」がある。数人の集団が、自分たちの常識やルールを一般化して、社会にも適用しようとするもので、外の世界にまで想像が及ばなくなっている。恐らく今回、罪を犯した学生らには犯意すらなかったのではないだろうか。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060127-00000001-maip-soci
詳しいことは内田樹氏のblogにあり。
http://blog.tatsuru.com/archives/001520.php
どんな具合に気になるかというと、このコメント、なんにでも当てはまりそうだということ。
たとえば、ライブドアのコメントとして。
「現代の若者は、長い目で見た時、自ら取った行動がどのような結果をもたらすか、という未来を予測する能力が欠如しているのではないか。最近では、京都府宇治市の進学塾で、反抗的な態度を取った生徒を、先生である大学生が殺害するという痛ましい事件が発生した。目の前の快楽をただ得るために、一生、大きな不快を背負うということが理解できなくなっている。背景には「大衆社会化」がある。数人の集団が、自分たちの常識やルールを一般化して、社会にも適用しようとするもので、外の世界にまで想像が及ばなくなっている。恐らく今回、罪を犯したライブドア社員らには犯意すらなかったのではないだろうか。」
まあ、こういった事件が、「大衆社会化」とかいう、現代日本、現代社会の普遍的状況から生じている、と考えれば当然なのだが。
でも、いつの時代にも当てはまる感じもする。
歴史詳しくないけど。
例:本能寺の変で、豊臣秀吉方のコメント。
「現代の武士は、長い目で見た時、自ら取った行動がどのような結果をもたらすか、という未来を予測する能力が欠如しているのではないか。最近では、京都で、反抗的な態度を取った将軍を、家臣である松永弾正が殺害するという痛ましい事件が発生した。目の前の快楽をただ得るために、一生、大きな不快を背負うということが理解できなくなっている。背景には「大衆社会化」がある。数人の集団が、自分たちの常識やルールを一般化して、社会にも適用しようとするもので、外の世界にまで想像が及ばなくなっている。恐らく今回、罪を犯した明智光秀らには犯意すらなかったのではないだろうか。」
ようするにバーナム効果っぽいというか。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20060110/p1
優れたコメントとは、どれもそういうものかもしれないんだけど。
ちなみに、オルテガの「大衆社会化」は以下の本を読むとよいようだが。
- 作者: オルテガ,Jos´e Ortega y Gasset,寺田和夫
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2002/02/01
- メディア: 新書
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