電車男

いまさら電車男でもないが。
今朝の毎日新聞見てたら、小西聖子先生とかが解説していたので、対抗して。
誰も取材に来てくれないので、なぜ売れたかを勝手にコメントしてみる。


ひとつはタイトルの、ビジュアル的インパクト。
「電」「車」「男」とすべての漢字に「田」が含まれて、すごくカクカクしている。
これは縦書きにすると、よりいっそうはっきりする。




センターに一本線が走っている。
「男」の下の「力」のセンター線が曲がり、あたかも、カーブを追えた電車が直線線路に入ってきたかのような雰囲気だ。


「電」が先頭車両。
「車」が真ん中。
「男」が曲がりきる直前の後ろの車両。


すなわち「電車男」は、漢字のビジュアル効果で、電車そのものを絵として表現している。


あともうひとつは、「おとこ」と「おたく」の発音の類似性。
発音を聞くだけで、「おたく」がエルメスにより成長して、母音の「O」だけからなる、まっすぐな発音の「おとこ」になったことが無意識的にわかる。


つまり「電車おたく」が「電車おとこ」へと変化するという含意が「電車男」のタイトルにはある。


すなわち電車男は、タイトルの持つ、画像と音声のサブリミナル効果が、隠れたヒット要因なのである。


こういったことを考えると、英訳して、たとえば、「train man」なんてタイトルになってもぜんぜん売れないと思う。