「変な子と呼ばれて」を読む。

- 作者: 吉永みち子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2005/06/06
- メディア: 新書
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ところどころに吉永みち子による性同一性障害についての解説も入る。
全体的には、悪い本ではないと思うし、戦後の日本のトランスジェンダーに関する貴重な記録だとは思うが。
ちょっと、基本的間違いが多すぎる。
吉永氏が最初「性同一性障害」を書いたときは、そんなに日本語参考文献もなかったので、多少の間違いは仕方ないと思うが。
2005年出版の本としては、いかがなものか。
多忙な中、執筆するのも大変だとは思うのだけど。
性同一性障害についての記述がこれだけ雑だと、「ミッシェル近藤」についての記述もどこまで信用していいのか、わからなくなる。
あまり細かくつっこむのも、大人げない気もするが。
目立った箇所の引用と私のコメント。
P25
>「実は、性同一性障害の中で、両性具有はマジョリティーなんです。
(マイノリティだと思う。)
P26
>肉体的な性と、頭で理解している性。この両者が同一性を欠いた状態が、性同一性障害ということになる。
(頭で理解している性?)
(同一性とはidentityのこと。「一致」のことではない。)
P28
>社会的な性を受け入れられない人たちは、トランスジェンダー、TGと呼ばれ、
(ちょっとビミョー)
P29
>戸籍上男性のTGは、(中略)好きになる相手は男性であり、妻として生きたいと欲する。
(人生色々、TGも色々。)
>TSともTGとも違う特徴を持つのが、服装倒錯者、異性装嗜好者と言われているトランスヴェスタイト。
(そんな風には言われないと思う)
P34
>マネー教授は、この段階で「性自認は人工的に変えることが可能である」という説を発表し、
(そんな説ではないと思う)
(双子症例について)
>そして四十歳近くになって、ついに女性として生きることを完全に拒否し、その頃には可能になっていたペニスの再建手術を受け、女性と結婚し、男性に戻ったのである。
(ペニスの再建手術は十六歳です。)
P47
>自らが性同一性障害だとカミングアウトする人が、男性の三分の一程度の女性は、