男性非行少年のセクシャリティ3

昨日の続き。
「男性非行少年のセクシャリティ ―行動・知識・意識面からの一考察―」
より。


対象
D群:非行少年群:少年鑑別所入所男子少年、16,7歳62名(性非行に限らず)
N群:一般高校生群:関西普通私立高校2年生68名
この2群の比較


今日は性知識の情報源と性意識。


「学校で教わったこと」
「性病」、「妊娠人工中絶」など、8項目別に。
D:性病4割、妊娠人工中絶2割、避妊6割など。
N:全ての項目において100%近くが「教わった」。


つまり、非行少年は様々な項目全てにおいて、学校からは性について学ばず。
その代わり、友人や先輩から学ぶことが多い。


性意識。
「キスやセックスに女性のほうから積極的になるのははしたない」
D:24.2%
N:4.4%


「キスやセックスなどの性行為は、男性がリードすべきだ」
D:53.2%
N:30.9%

「女性は口で嫌がっていても、むりやりセックスしてしまえば受け入れるものだ」
D:21.0%
N:11.8%


「男性は浮気をしてもいいが女性はいけない」
D:22.6%
N:8.2%


すなわちこのデータは、非行少年は、男尊女卑的価値観、男性中心セックス主義を有していることが分かる。


というわけで、3日にわたった、この文献についての結論。
非行少年のセクシュアリティは以下のとおり。

・ セックスを大多数がしている。
・ 相手を妊娠させたものも2割いる。
・ 知識の情報源は、学校ではなく、友人や先輩。
・ その知識はでたらめ。
・ そのくせ、「十分知っている」と思い込んでいる。
・ さらに、男尊女卑の考えあり。


というわけで以下が個人的感想。


「非行少年のセクシャリティは『性については自然に覚えるから、性教育など必要ない』と主張する、男尊女卑のおっさんのセクシュアリティとよく似ている。」