2005.4.27.2005-04-27 - Anno Job Logの日記の続き。
「男性非行少年のセクシャリティ ―行動・知識・意識面からの一考察―」
門本泉、大木桃代、卜部敬康:犯罪心理学研究第36巻第1号、23-32,1998
対象
D群:非行少年群:少年鑑別所入所男子少年、16,7歳62名(性非行に限らず)
N群:一般高校生群:関西普通私立高校2年生68名
この2群の比較
今日は性知識の正答率の比較など。
20の質問があるが、特に正答率に差があったものとして、以下のようなもの。
・ 排卵は射精に関係する(正)。
D:46.8%、N:91.2%
・ 女性の性経験の多さは乳首や性器の色で分かる(誤)。
D:27.4%、N:55.9%
・ 腟外射精で妊娠の心配はない(誤)。
D:50.0%、N:77.9%
・ 男性に乳房を触られると、女性の乳房は大きくなる(誤)。
D:9.7%、N:29.4%
次に
「自分の性知識を不満と感じている」
は
D:11.3%、N:29.2%
また性交経験あるもので
「毎回避妊した」
は
D:36.8%、N:71.4%
さらに、性交経験者の中で
「相手を妊娠させたことあり」
は
D:21.3%、N:0%
すなわち、これらのデータからは、
・男子非行少年は、生殖の仕組み・避妊方法についての性知識が乏しく、
・逆に『性交経験が多い女性は、性器の色が黒い』のような誤った知識を信じている。
・ にもかかわらず、自分の性知識に不満を持っていない。
・ 行動としては、避妊せず、
・ 結果として相手女性は妊娠する。
ということがいえる。
ここのあたりは予想通りではある。
ただ非行少年群のほうが正答率が高い性知識問題もあった。(有意差はないけど)
・ 精液は飲むと毒になる。(誤)
D:66.1%、N:57.4%
精液を飲ますという性行動が、非行少年群のほうでは多いのかもしれない。