モダンフィジシャン25巻4号の特集は「性同一性障害の診かたと治療 」(山内俊雄先生企画編集)。
http://www3.vc-net.ne.jp/~shinkoh/modern/backnam/2504.html
性同一性障害の国内の主たる医療機関、医師の論文が揃い踏み。
読み比べると、それぞれの微妙な違いが出ていて、興味深い。
個人的に一番面白かったのは、最後のQ&Aの原科先生の箇所。
SRSに関する、ありがちな質問に対して、外科医らしい明快で簡潔な回答が続く。
>Q:腟はどのくらいの深さになりますか?
A:陰茎の大きさによります。約15センチです。
これ最初読んだとき、セックスする相手の陰茎の大きさかと、一瞬思った。
でも良く考えたら、SRS前のMTFの陰茎のことだ。
ちなみに、
>Q:私の場合ペニスが小さいのですが、腟形成術は可能ですか?
A:植皮法や結腸法が検討されるでしょう。
ということだ。
もっともだと思ったのは
>Q:一見して手術したと気づかれますか?
A:誰がどのような目的で見るかにもよります。
などなど明快なQ&Aが続く。
これで2625円とはお買い得。
以下参考までに目次貼り付け。
□性同一性障害とは一歴史と概要 山内俊雄
□性同一性障害の診かた 阿部輝夫
□性同一性障害の診断 加澤鉄士
□性同一性障害の治療と予後
1.精神療法の実際 塚田 攻
2.ホルモン療法の実際 石原 理
3.手術による治療 高松亜子 他
□ジェンダークリニックの取り組みと実態
1.埼玉医科大学 加澤鉄士
2.札幌医科大学 池田官司 他
3.大阪医科大学 堀 貴晴 他
4.関西医科大学 織田裕行 他
5.岡山大学 佐藤俊樹 他
6.長崎大学 中根秀之 他
□性同一性障害を有する者の心理・社会的問題 山本 蘭
□性同一性障害者の支援
当事者に対する社会的支援──誰の,何を支援していくのか 東 優子
□性同一性障害と法
性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律 針間克己
§Q&A§ 性同一性障害を理解するために