「性的少数者アンケート 誤った用語・説明 取材者側に課題」という記事の用語の使い方が間違っているという、笑い話。

下記の記事、「性的少数者アンケート 誤った用語・説明 取材者側に課題」というものだが。
性同一性障害の説明が、「トランスジェンダーの中でも、医学的な診断基準を満たした人。」となっていた。
性同一性障害は、疾患名であって、人をさす言葉ではない。
苦笑。


https://mainichi.jp/articles/20180614/ddm/004/040/008000c
性的少数者アンケート 誤った用語・説明 取材者側に課題
毎日新聞2018年6月14日 東京朝刊
 同性カップルをパートナーとして公的に認める自治体の広がりなどで、LGBTなど性的少数者がニュースとして取り上げられる機会が多くなっている。報道する側に理解や配慮が足りなければ、当事者への誤解や偏見を広げかねない。毎日新聞がメディアの取材を受けた経験がある当事者70人にアンケートしたところ、報道で誤った用語の使い方や説明がされていると感じた人は約8割に上り、取材する側の課題が浮かんだ。【藤沢美由紀、中嶋真希】
7割近い回答者「記者が不勉強」
 アンケートは4月、インターネット上に回答フォームを作り、記者自身が過去に取材した人や、新聞、テレビ、ウェブメディアなどの取材を受けたことのある当事者に呼び掛けた。回答したのは70人で、同性愛者が34人、両性愛者とトランスジェンダーとXジェンダーがそれぞれ13人、その他が17人(いずれも複数回答可)。年齢は20〜60代だった。

 この5年ほどの間で目にした性的少数者に関する報道全般で、違和感を覚えた点を尋ねると「誤った用語の使い方や説明」を8割近い54人、「先入観のある描き方」を51人が指摘した。

 取材を受けた際に経験したことを選択肢を示して挙げてもらったところ、7割近い46人が「記者が勉強不足だと感じた」と回答した。具体例として出たのは「性的指向」と「性自認」の混同。同性愛や両性愛は「どのような性別の人を好きになるか(性的指向)」、トランスジェンダーは「自分で自分の性をどう思うか(性自認)」の問題で、それぞれが抱える問題や、社会に求められる対応も異なるとの指摘だった。

 「(正確な呼称のレズビアンではなく)レズと言われた。差別語であることを知らないのかも」「『私は(同性の)男性を好きになるなんて理解できない』と笑われた」など、取材者が差別的な発言をしていた事例もあった。男性として暮らすトランスジェンダーは、記者が勤める会社内で取材を受けたところ、女性用トイレに案内されたという。

 「特定のイメージを押しつけられた」という回答も、半数近い32人からあった。「LGBTはかわいそうな人たちではないと説明したのに、理解してもらえなかった」「記者の考えにパズルのピースを当てはめるかのように質問された」「『LGBTの人は優秀』といったポジティブな決めつけが気になった」などの声があった。

同意なき暴露につながる恐れも
 男性として暮らしているのに「女性」として報道されるなど「報道で自分の性自認性的指向が尊重されていなかった」は18人、自分や周囲の当事者の顔や名前、セクシュアリティー(性のあり方)に関する情報を「同意を得ずに報道された」は15人が経験していた。

 無許可で写真を撮られたり、交流会の開催場所を知らせていないのに書かれたりしたといった苦言もあった。これらは本人の同意なく周囲にセクシュアリティーを暴いてしまう「アウティング」につながる恐れもある行為だ。

 記者や上司に改善してほしいことでは、掲載前に原稿の確認を求める声が多くあった。報道機関は記事の公平性や編集権の独立を確保するなどの理由から、掲載前の原稿を原則として外部の人に見せていないが、極めてプライバシーや尊厳に関わる内容だけに不安を感じる人が多いようだった。

 一方で、「取材を受けて良かったと思ったことはあるか」という問いには、9割の63人が「ある」と回答。「実態を伝えることができた」「多数の記者が取り上げることで、少しずつ確実に、周囲の認識も変わってきているように感じる」といった肯定的な受け止めが多かった。

性の多様性を巡る主な用語
セクシュアリティ

 性的指向(どのような性別の人を好きになるか)や性自認(自分で自分の性別をどう思うか)など、人の性のあり方。

・LGBT

 レズビアン(女性同性愛者)、ゲイ(男性同性愛者)、バイセクシュアル(両性愛者)、トランスジェンダー(出生時の身体の性別と性自認が異なっていたり、違和感を持っていたりする人)の頭文字でできた言葉。性的少数者を意味する総称としても使われる。

性同一性障害

 トランスジェンダーの中でも、医学的な診断基準を満たした人。

・Xジェンダー

 自らを男女どちらでもないと感じている人や、性別にとらわれずに生きたい人。

・クエスチョニング

 自分のセクシュアリティーが分からなかったり、迷ったりしている人や状態。

アセクシュアル

 恋愛や性的な感情を誰に対してもあまり感じない人。

アウティング

 本人の許可なく周囲にセクシュアリティーを暴いてしまうこと。自らセクシュアリティーを打ち明けることはカミングアウトという。

・SOGI(ソジ)

 英語の「性的指向」と「性自認」の頭文字でできた言葉。性的少数者に限らず全ての人が関わる概念として使われる。

(※言葉の定義はさまざまな説がある)

差別的と受け取られるため、使用を避けた方がいい言葉
 ホモ、レズ、オカマ、オネエ、オナベなど