LGBTを読みとく ─クィア・スタディーズ入門

「LGBTを読みとく ─クィアスタディーズ入門 」拝読。
LGBTの概念、歴史、クィアスタディーズについてと順序立てわかりやすく読みやすかった。


クィアスタディーズの基本的視座とは、
「差異に基づく連帯の志向」
「否定的な価値づけの積極的な引き受けによる価値転倒」
アイデンティティの両義性や流動性に対する着目」
であり、それに基づき、議論していた。


議論、批判は一方的なものでなく、バランスが取れていると感じた。
また差別をなくすのは「善意」ではなく「正確な知識」だと述べるのは学者らしい信念だなと思った。


ただ面白いな、と思ったのは、「LGBT」という言葉のブームや、商業消費の側面が強まっていることを批判しているが、本書もタイトルに「LGBT」を持ってきて、ブームに乗って本が売れるように、となっているところ。
別に皮肉ってるわけではなく、出版する場合に売れるタイトルにするのは、当然考慮すべき大人の事情ではある。