中年童貞

「中年童貞」拝読。
興味深い内容だったが、松野氏のケースが特に興味深かった。


P107-P109

>「本当は女性に好かれたくてモテたくて仕方がないのに、絶対にそれは叶わない。だから徹底的に逃げているのです。それが不可能になるように、自分の男性性を徹底的に壊して破壊して、潰して、本当は女性に受け入れて欲しいのに、逃げるように男性同性愛者のフリをしている。既成事実を作るために男性とセックスをしたり、ネットでゲイ動画ホモ映像を観たり検索したり、男性を相手に性的興奮をできるようになった。自己嫌悪に陥ります。本当は女性と話したり、普通に結婚したりしたい。けど、絶対に受け入れてもらえないから、男性性を捨てる自傷行為として性同一性障害に逃げているのです。元々男らしさがないことも含めて、性同一性障害は単なる言い訳です。」


>「女性と社会に怯えてばかりです。それで最近、社会から受け入れつつあるセクシャルマイノリティを持ちだして、都合よく生きている感じです。でも、嘘ばかりなので、全然楽になれないですね。僕はたぶんゲイでもないし、バイでもないし、トランスジェンダーでもない。性同一性障害も偽物です。本当に性同一性障害なら、診断後にホルモン補充療法を受けますが、僕は躊躇ってやっていない。他の当事者が喜んでどんどん進んでいくのに」


>「男性としての自己を破壊しようと一時期は女性になりたいと思ったこともあった。美容や全身脱毛やダイエットに時間もお金もつぎ込んだけど、肉体は成長しきっているし、整形しても骨格は変わらないし、無理だった。だいぶ悩んで考えて、最終的に女性になりたいって願望は現実逃避って気付いた。単に女性に受け入れられないから逃げて、性同一性障害という概念を利用したわけです。自分が女性だったら僕みたいな男は嫌で絶対に受け入れない。だからハッテン場に行って孤独感を埋めているんです。ハッテン場では誘われたら、外国人でも年配でも、ほとんど応じます。まず断ることはないです。」

ルポ 中年童貞 (幻冬舎新書)

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