「しんじゅくはなぞのいいん」で入力すると「新宿は謎の委員」と変換され、ちょっと笑う。
それはともかく。
「近代精神医学の成立」を読む。
小俣先生の本はどれも興味深いが。
この本も。
- 作者: 小俣和一郎
- 出版社/メーカー: 人文書院
- 発売日: 2002/05/01
- メディア: 単行本
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のっけに、自然科学史の歴史観に疑問を呈する。
P9
>過去は基本的に「暗黒」であり、現在は「栄光」につつまれており、
>そうした進歩史観にもとづいた歴史物語は、結局のところ、一種のハッピーエンド・ストーリーの域を出ないことになる。
「昔は暗黒時代ですが、今は違います」・・・。どこかの業界でも聞いたことがあるような。
14pのフーコー言説の紹介。
・ ピネルは精神病者を「鎖からの解放」をしたのか?
>近代以降の精神医学とは、精神病者の新たな拘禁手法のひとつにすぎず、一見人道的にみえて、その実、本質的に近世以後の患者囲い込みとなんら変わるところはない。
「医療による囲い込み」・・・。どこかの業界でも聞いたことがあるような。
後半部分の狂気概念の歴史も興味深い。
P123
もともと狂気の概念には、さまざまな意味系列があった
>しかし、そのいずれもが、近代という時代において精神医学の中へと吸収されてゆき、
>病という一語へと収束する。
P126
何をもって「病気」とするか、その病名はなんであるかをはっきりさせる必要がある最大の理由は、
>医学ではなく法律側の要請にあるという。
法律用語では差別語ではない言葉の統一が図られる。
「いろんな呼び名・捉え方があったが、法律側の要請で概念が医学疾患名に一本化」・・・。どこかの業界でも聞いたことがあるような。
で。おおまかなながれとして。
・ドイツを中心に、精神病を「脳病」(生物学的原因が脳にある)と捉えられるように。
・さらに、遺伝病として捉えられるように。
・結果、断種の対象として精神病はなり。
・さらに、ナチズムでは大量殺害。
・・・・・。