ピアノマン

ピアノマンの真相が明らかになったそうだが。


実際、わけありの人が生活史健忘を装っているのでは?、というケースは時々ある。
本物の生活史健忘か、詐病かという鑑別はかなり難しい。
トホホの精神科医には、ちょっと鑑別不可能。


この人もなんか、


>男性は同性愛者で、パリで失業し、4月に高速列車に乗って英国入りし、自殺を図ろうとしていた。


と、わけありだったようだ。


しかし、


>英医療当局は、4か月余りの診断費、入院費などの返還を求め、男性を訴えることを検討している。


とは、なんたる狭量さ。


自殺未遂をし、言葉を話す気もしなかった人が、緘黙が治り、言葉を話すようになり、故郷に帰る気になったのだ。
いい話ではないか。
関係者は、胸を張って「ピアノマンの病気を治した」といっていいと思うのだが。


以下記事貼り付け。
http://www.yomiuri.co.jp/main/news/20050822it04.htm
 【ロンドン=飯塚恵子】英大衆紙デイリー・ミラー(電子版)は22日、英南東部ケント州の海岸で4月初めに保護され、「謎のピアノマン」と言われた身元不明の男性がドイツ人で、一言もしゃべらなかったのは医師らをかつぐための芝居だったと報じた。男性は20日、ドイツに飛行機で帰国したという。

 同紙によると、男性は19日、病院職員がいつも通り「きょうは話をしてくれる?」と語りかけると、「はい。そうしましょう」と初めて口を開き、自らの正体について告白した。
 それによると、男性は同性愛者で、パリで失業し、4月に高速列車に乗って英国入りし、自殺を図ろうとしていた。
 男性については、当初、「身元を尋ねられると、無言でピアノの絵を描き、見事なピアノ演奏を披露した」とされていたが、実際には、ピアノは同じキーをたたき続けるだけで、ほとんど演奏できなかった。ピアノの絵は「最初に思いついただけ」と話した。
 男性は以前、精神医療関係の仕事に就いていたことがあり、2人の専門医や看護婦らはまったくだまされてしまっていたという。英医療当局は、4か月余りの診断費、入院費などの返還を求め、男性を訴えることを検討している。
 男性について各国メディアが大きく報じたため、世界中から身元に関する情報が1000件以上寄せられたが、これまで身元は特定されなかった。
(2005年8月22日11時41分 読売新聞)