臨床心理士と医療心理師


郵政民営化議論に隠れてはいるが、今国会では、臨床心理士医療心理師の国家資格化法案提出の動きもある。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20050705i204.htm


わたしのような、非業界人には、さっぱりわからんが、大体こういうことか。


臨床心理士河合隼雄系。文部科学省系。大学院卒。医療・学校・企業などで活動。
医療心理師:反河合隼雄系。厚生労働省系。4大卒。医師の指示の下、医療で仕事。


賛成派、反対派、いろいろ議論あるようだが、その辺は以下blogなど参照。
http://nobucp.blog4.fc2.com/blog-entry-119.html
http://kokoroshikaku.cocolog-nifty.com/kinkyu/
http://www.election.ne.jp/10768/archives/0000669.html


私が気になるのは、言葉。


まず、「臨床心理士」の「臨床」という言葉。
「臨床」とは読んで字の如し、「患者さんのベッドに臨む」という意味であり、患者さんと直に接する場合に用いる言葉だ。
「臨床医」「臨床検査技師」など。
すなわち医療現場で働くものに使うべき言葉だ。
にもかかわらず、学校や企業で、心理職を務める場合に、「臨床心理士」と名乗るはいかがなものかと思う。


あと「師」と「士」の使いわけ。
結構いい加減に使い分けされているけれど、おおよそ


師:人の指図を受けずに行う、いっぴきオオカミ的専門職。
士:資格による、規則にしたがって行う、役職的な専門職。


といったニュアンスが強いようだ。
http://www.ne.jp/asahi/jun/icons/miya/word7.html


以上の2点からは、
「医療で医師の指示に従って、心理業務を行うもの(現在の「医療心理師」)」
のほうが「臨床心理士」の名称が適切だし、


「医師の指示は必要とせず、医療に限らず心理業務を行うもの(現在の「臨床心理士」)」
は、ただの「心理師」とか、あるいは「総合心理師」などの名称が良いのではなかろうか。