当然の勝訴。
訴訟時のニュース関係は下記リンク先。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20121121#p1
共同通信
http://www.at-s.com/news/detail/1171801599.html
性別変更で入会拒否は違法 ゴルフクラブに賠償命令
(2014/9/ 9 07:45)
性同一性障害により性別を変更したことを理由に会員制ゴルフクラブへの入会を拒否され、精神的苦痛を受けたとして県西部の女性が地元のゴルフクラブに585万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、静岡地裁浜松支部は8日、法の下の平等を定めた憲法14条などに違反するとして被告側に慰謝料110万円の支払いを命じた。
古谷健二郎裁判長は原告が戸籍だけでなく外見上も女性で、女性用施設を利用した際に混乱が起きていないことから、被告が危惧するような混乱が生じるとは考えにくいと指摘。入会拒否などで「原告は人格の根幹部分に関わる重大な精神的損害を被った」と原告側の主張を認めた。原告の不利益は一時的なものとする被告側の主張を認めることは「性同一性障害や治療行為に対する不合理な扱いを助長する」とした。
判決によると、女性は2010年に性適合手術を受け、性同一性障害者性別特例法に基づいて戸籍の性別を男性から女性に変更した。12年に運営会社の株式を取得して入会を申請したが、クラブ側は会員の困惑などを理由に入会を拒否した。
判決を受け、被告側代理人は「判決文を確認して対応を検討する」と述べた。
産経
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/140908/trl14090821380008-n1.htm
性別変更で入会拒否は違法 ゴルフクラブに賠償命じる
2014.9.8 21:38 [事件・トラブル]
性同一性障害のため戸籍の性別を男性から女性に変えたのを理由に入会を拒否されたのは不当として、静岡県の会社経営者の女性(59)が同県湖西市のゴルフクラブと関連会社に慰謝料など585万円の損害賠償を求めた訴訟で、静岡地裁浜松支部は8日、入会拒否は違法と認め、クラブなどに110万円の支払いを命じた。
クラブ側は、憲法21条の結社の自由を根拠に「構成員選択の自由がある」と主張したが、古谷健二郎裁判長は判決理由で「構成員選択の自由を十分に考慮しても、社会的に許容しうる限界を超え違法」と退け「原告の被った精神的損害は看過できず重大」と指摘した。
朝日
性同一性障害でゴルフ場入会拒否「違法」 静岡地裁支部
性同一性障害で戸籍上の性別が男性から女性に変わったことを理由に会員制ゴルフ場から入会を拒否されたとして、静岡県内の会社経営者(59)がゴルフ場の経営会社と運営クラブなどを相手に585万円の損害賠償を求めた訴訟で、静岡地裁浜松支部(古谷健二郎裁判長)は8日、入会拒否は違法として110万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
判決によると、原告の経営者は2012年6月、ゴルフ場側に入会に必要な書類や戸籍謄本を提出。しかし、運営クラブの理事会は性別変更を理由に入会を拒否した。
判決は、入会拒否について「性別に関する自己意識を身体的にも社会的にも実現してきたという原告の人格の根本部分を否定した」と指摘。性同一性障害が本人の意思に関わりなく生ずることなどから、法の下の平等を定めた憲法14条などの趣旨に照らして「社会的に許容しうる限界を超えて違法」として、経営者の精神的損害を認めた。
ゴルフ場側は裁判の中で、浴室や更衣室の利用で既存会員に不安感や困惑が出る恐れがあると主張していた。代理人は「入会拒否に悪意はなく、会員の話を聞いた上で運営上支障が出るので決めた。判決には不満だ。よく読んで控訴するか決めたい」と話した。(張春穎)
http://www.asahi.com/articles/ASG985GNVG98UTPB019.html
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2014090802000218.html
東京新聞
性変更後の女性、入会拒否 ゴルフクラブ賠償命令
2014年9月8日 夕刊
性同一性障害で性別を女性に変えた静岡県西部の会社経営者(59)が、性別変更を理由に会員制ゴルフクラブへの入会を拒否され精神的苦痛を受けたとして、県西部のゴルフクラブなどに慰謝料など五百八十五万円を求めた訴訟で、静岡地裁浜松支部は八日、入会拒否は憲法一四条の「法の下の平等」の趣旨に反すると判断。原告側の訴えを認め、クラブなどに百十万円の支払いを命じた。
訴訟でクラブ側は憲法二一条の「結社の自由」を挙げ、「構成員選択の自由が認められる」と反論。性的マイノリティー(少数者)をめぐる憲法論争での司法判断が注目された。
判決理由で、古谷健二郎裁判長は「(入会拒否は)原告の人格の根幹部分を否定した」と指摘。「構成員選択の自由を十分考慮しても、社会的に許容しうる限界を超える」と違法性を認めた。
原告の不利益を単に経済的なものにとどめなかった点については、「性同一性障害を患う者に、疾患を認めることや治療を躊躇(ちゅうちょ)させる事態を招きかねない」との懸念を示した。
判決によると、原告の女性は性同一性障害者性別特例法に基づき、二〇一〇年に戸籍上の性別を女性に変更。ゴルフ場運営会社の株式二株を二百十五万円で購入し、一二年六月に法人会員としてクラブに入会を申し込んだ。性別変更の経歴が書かれた戸籍謄本など必要書類を提出すると、性別変更を理由に入会を拒まれ、裁判では「ゴルフ場利用権の侵害にとどまらず、人格への攻撃だ」と主張。
クラブ側は入会を認めた場合、浴室やロッカールームを他の女性会員と共用することになり、不安感に配慮する必要があったなどと反論していた。
判決を受け、女性は「自分の意志ではない障害で苦しんでいる人への理解を求めたい」とコメント。被告代理人の弁護士は「判決文を読んでいないのでコメントできない」と話した。
◆差別、厳しく断じた
静岡大の笹原恵教授(女性学)の話 性同一性障害を理由にした差別的な扱いを厳しく断じた画期的な判決だ。原告の経済的な不利益だけでなく、人格を否定しさらなる差別を助長しかねないと踏み込んだ。性同一性障害という病気に目を向ける契機にもなる。
<性同一性障害> 身体上の性と心の性が一致せずに違和感を覚え、一致する性を求め続ける障害。2004年に性同一性障害者性別特例法が施行され、2人以上の医師の診断、20歳以上で現在は結婚していないことなどを条件に、家庭裁判所の審判で性別を変更できるようになった。最高裁によると、13年末までに4353人が性別を変更している。