性別違和を訴える者の3年後の臨床経過
はりまメンタルクリニック 針間克己
2012.3.17.GID学会
目的
初診時に性別違和を訴えた者の3年間の臨床経過を調査した。
対象
性別違和を主訴に、
はりまメンタルクリニックを平成20年の4月から8月に受診し、
現在20歳に達している、
532名(FTM338名、MTF194名)。
結果:ホルモン療法
全体:
初診時:44.5%(237/532)
現在 :71.1%(378/532)
FTM
初診時:33.4%(113/338)
現在:66.6%(225/338)
MTF
初診時:63.9%(124/194)
現在:78.9%(153/194)
FTM乳房切除術
初診時:24.3%(82/338)
現在:46.7%(158/338)
SRS
全体:
初診時:11.8%(63/532)
現在 :33.1%(176/532)
FTM
初診時:11.5%(39/338)
現在:36.1%(122/338)
MTF
初診時:11.9%(23/194)
現在:27.8%(54/194)
初診時SRSをしてないものでSRSを受ける割合
FTM
既ホルモン:60.2%(44/73)
未ホルモン:16.9%(38/225)
MTF
既ホルモン:27.7%(28/101)
未ホルモン:4.3%(3/70)
まとめ
初診後3年半の経過で、7割がホルモン療法を、3割がSRSを受けていた。
初診時ホルモン療法をしてないMTFでSRSをその後受けたものは、少数であった。
身体治療を受けない/受けられないものへの支援も必要と思われる。