「僕らの未来」、見た。
http://pff.jp/33rd/lineup_award15.html
http://www.webdice.jp/dice/detail/3230/
よかった。
FTMの大学生の監督さんが撮った、FTMの高校生の話。
主役を演じるのもたぶん本物のFTM。
だからというわけでもないだろうが、圧倒的にリアル。
上戸彩や上野樹里のような華やかさや、表情豊かな喜怒哀楽はない。
「ゴリラ」とあだ名される、主役の子は、演技が下手なせいもあるだろうが、セリフは棒読みで、表情の変化もほとんどない。
ストーリーも、派手なことは全然なく、淡々と日常が過ぎていく。
しかしだからこそ、本物のFTMの陰鬱とした内面が描かれる。
画面も暗い場面や夜が多く、明るさには乏しい。
しかし、それでも夜に光る街の灯りは美しく、一瞬の夕焼けは鮮やかだ。
不細工で、表情も暗いはずの主人公も、映画を通してみれば、青春を生きることの輝きを内面から放っている。
闇の中の光が美しい、
レンブラントの絵のような作品。