人権問題:子供の人権へ高まる意識 ネットでの中傷、心配の声多く−−県調査

http://mainichi.jp/area/gifu/archive/news/2007/11/20/20071120ddlk21040282000c.html
人権問題:子供の人権へ高まる意識 ネットでの中傷、心配の声多く−−県調査 /岐阜
 県が実施した「人権に関する県民意識調査」の結果が公表され、人権に対する県民の意識が敏感になっていることが分かった。特に子供の人権に関心が高まっている。調査結果は、県が今年度中に改定する人権施策推進指針を策定するための基礎資料となる。
 調査は02年7月以来、2回目。20歳以上の県民2000人を対象に郵送でアンケートした。
 「現在関心を持っている人権問題」(複数回答)を尋ねたところ、最も多かったのは前回3位の「子供の人権問題」で4割を超え、「高齢者の人権問題」も4割近く、社会的に弱い立場の人たちの人権について関心が集まった。今年から新たに選択肢に加わった「インターネットによる人権侵害」と「犯罪被害者とその家族の人権問題」も、上位にランクインした。一方、「特に関心のある問題はない」と回答した人は前回比約8ポイント減の10・6%となった。
 「人権侵害を受けたことがある」と感じている人は全体の36・6%で、3人に1人にのぼった。内容は「あらぬうわさ、他人からの悪口、陰口」が51・9%と最も多く、次いで「名誉・信用のき損、侮辱」(23・8%)、「職場での差別待遇」(22・4%)の順となった。
 「インターネットによる人権侵害」(複数回答)についての質問では、「他人を中傷したり差別を助長するなど、人権を侵害する情報を掲載すること」を心配する人が52%に上った。また、「個人情報の流出」(46・6%)や「出会い系サイトなど犯罪を誘発する場となっていること」(44・6%)について不安に感じる県民が多かった。
 県は、「犯罪被害者とその家族の人権問題」(複数回答)についても質問。「報道でプライバシーが公表されたり、取材で私生活の平穏が保てなくなること」が70・6%で、2位の「犯罪行為によって精神的なショックを受けること」の46・1%を大きく上回った。
 県人権施策推進課の白木幸太郎課長は「社会情勢を反映した結果となったと思う」と話していた。【中村かさね】
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 ◆関心を持っている人権問題◆
                07年度 02年度
                 (%)  (%)
子供の人権問題         42.3 36.4
高齢者の人権問題        39.3 41.4
障害者の人権問題        35.9 37.9
インターネットによる人権侵害  28.7   −
女性の人権問題         28.1 29.4
犯罪被害者とその家族の人権問題 26.5   −
外国人の人権問題        11.3 11.8
感染症患者の人権問題      10.2 12.1
同和問題             8.2 12.0
ホームレスの人権問題       8.2   −
刑を終えて出所した人の人権問題  5.6  5.6
性同一性障害者の人権問題     5.1   −
性的指向の異なる人の人権問題   3.3   −
アイヌの人々の人権問題      2.7   −
特に関心を持っている問題はない 10.6 18.8
その他              1.3  2.1
無回答              1.7  2.3
 ※複数回答。「−」は02年調査で項目なし
毎日新聞 2007年11月20日