リストカット―自傷行為をのりこえる

リストカット自傷行為をのりこえる」拝読。


まず驚いたのは、裏表紙の林直樹先生のお姿。
昔ご指導いただいた時は、当時すでに高名な先生だったにもかかわらず、いざ実際お会いすると、その青年医師のような若々しさに驚いたのだが。


何年か見ない間に、その顔写真を見ると、最終解脱したというか、哲人というか仙人というか、オーラ漂うお姿に変貌されていた。
拝見するだけでサイコセラピー、というか。


本文読んでいくと、小原圭司先生とか、石毛奈緒子先生とか、自分より若手の論文が、ガンガン引用されていて、焦るというか、取り残された感というか、みなすごいなあと、感服。


この本のハイライトは、172ページからの「自傷行為をおこなうあなたへ」という、林先生からの贈る言葉。かっこよすぎ。


自傷するには理由がある
>それは、その人たちが「わたし」の本来の姿が見失われている状態にあるということです。本来の自分ならしないであろう行動をとってしまうのは、どうしていいかわからなくなっているからなのです。


>私は、あなたが本来の「わたし」を取り戻して、ご自身にふさわしい行動を選択することが回復につながると考えています。
>その努力によってこそ、自分のあり方を確立し、自尊心を回復する道が拓かれるのです。


>私は、あなたが周囲の人々から大切にされる価値ある存在であることを確認しながら、そして周囲の人々から多くを学びとりながら、たしかな「わたし」を作り上げてゆくことを願っています。

リストカット―自傷行為をのりこえる (講談社現代新書)

リストカット―自傷行為をのりこえる (講談社現代新書)