性別違和者、小児愛者、フェティシストにおける性的対象配置の障害

Freund K,とBlanchard R.の
「Erotic target location errors in male gender dysphorics, paedophiles, and fetishists」
(性別違和者、小児愛者、フェティシストにおける性的対象配置の障害)という論文が大変興味深い。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi?cmd=Retrieve&db=pubmed&dopt=Abstract&list_uids=8481752


以下、何回かに分けて、適当にかいつまんで翻訳。


Geynaephilia(女好きの男)の、対象配置の障害として、フェティシズム、トランスべスティズム、autogynaephiliaがある。


同じようなことが、小児愛者のなかにも、いえる。
1.Autogynaephilesに対応するもの:自分自身を小児だと想像し興奮する。
2.トランスベスタイトに対応するもの:性的興奮目的で小児の服を着る。こういうものは「cisvestism」と呼ばれることがある。(訳注:cisvestismは日本では、しられていない言葉。珍装?/コスプレ?して性的に興奮するもの)
3.フェティシストに対応するもの:小児の服装に性的魅力を感じるもの。


Autogynaephiliaの著しいものが「gender identity disorder(性同一性障害)」と呼ばれるように、小児になりたい気持ちが著しいものは「age identity disorder(年齢同一性障害)」と呼ぶべきだ。
両者とも性的魅力を感じる対象に、自分自身もなりたいと思っている。
両者をあわせて「erotic target identity inversions(性的対象同一性倒錯)」と命名する。


Paedophilic target identity inversion(小児性愛対象同一性倒錯)
症例1.
37歳男性。少年のペニスをズボンの上から触って、告訴され、性欲を減らしたいと希望し受診。形成外科医受診も希望。理由を尋ねると、割礼について語りだす。「自分で判断できない子供に対して割礼をするのは、犯罪だ」と興奮しながら話す。「子供のときのように、亀頭を覆ってた、包皮を再び作ってほしい」という。この手術が可能な形成外科医を紹介しなかったところ、ほかの形成外科医を必死に探し出した。この患者は、自分の体の部分的変更だけを望んでいるので、豊胸術だけを求めるトランスベスタイトと類似の臨床像である。



明日以降に続く。