第164回国会参議院厚生労働委員会 第27号 平成18年6月13日

http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kaigirok/daily/select0107/164/16406130062027a.html

>○島田智哉子君 どうぞよろしくお願いいたします。
 次に、性同一性障害GIDの低年齢児の治療とサポート体制についてお聞きいたしたいと思います。
 先月、兵庫県の播磨地域の小学校にGIDと診断された七歳の男児が女児として教育委員会、学校が受け入れているとの報道がございました。私はこの対応をとても評価いたしておりまして、個々の子供の個性に沿ったこうしたきめ細やかな対応こそが今正に求められているのではないかと感じました。
 四年前に特例法も制定され、社会の理解が深まりつつあるとはいえ、子供たちのみならず、親御さんにとりましてもとてもとても悩み続けられている方が身近にも事実いらっしゃいます。厚生労働省として、こうした子供たちのサポート体制についても是非調査研究をお願いいたしたいと思いますが、大臣の御見解をお聞きいたしたいと思います。
国務大臣川崎二郎君) 性同一性障害は、心の中で考えている性別と身体上の性別が食い違う障害であり、診療の現場においては日本精神神経学会が作成した性同一性障害に関する診断と治療のガイドラインに沿って診療が行われているものと承知いたしております。
 このガイドラインの中では、精神面の治療とホルモン療法、性別適合手術など身体面の治療があり、ホルモン療法等については十八歳以上、性別適合手術については二十歳以上で行うこととされております。これは、低年齢における性同一性障害者については、成長の過程で心と体の性別が一致していくことも多く、また治療選択に関する自己決定や自己責任等の面からも慎重を要する問題であることから、主に精神面の治療によるべきとの考え方によるものと承知いたしております。精神面の治療、患者への共感及び支持、実生活経験をさせて揺るぎなく継続できるかを明らかにする、心の性別による服装等の生活体験、うつ病等の合併症がある場合にはその治療を優先させる、このような事例でございます。
 精神面の対応としては、厚生労働省においては、性同一性障害に限らず、心の問題を抱えた子供への支援の充実を図るため、研修等を活用して子供の心の診療について専門的な対応ができる医師の確保、養成を図るとともに、保健所や精神保健福祉センターにおいて思春期精神保健に関する生活指導等を行っているところでございます。
 今委員から御指摘がありました、やはりこういった事例をしっかり私ども調査する中でまた方向性を出していきたいと、このように考えております。