「es[エス]」

「es」鑑賞。

es[エス] [DVD]

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一般人を、囚人役と看守役に分けて、刑務所で過ごさせたらどうなるか、という有名な心理学実験をもとにしたドイツ映画。
http://www.gaga.ne.jp/es/

映画では、驚くべき残酷性を看守役が示していき、まさにナチ化していく。


「確か、ほんとの実験結果はここまでひどいことにはならなかったはずだ」
と思ったのだが、ネット検索していて驚いた。
日本語では、「スタンフォード監獄実験」としてWikipediaにある程度解説があるが。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%B3%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%89%E7%9B%A3%E7%8D%84%E5%AE%9F%E9%A8%93


なんと実験した教授自らが、サイトを作っていた。
http://www.prisonexp.org/


これを読むと、映画の前半部分のエピソードは、ほぼ事実だったことがわかる。


最初は、むやみに腕立てやらすとか。

次に、消火器ぶっ掛けるとか。

今度は、服で便所掃除させるとか。


役割と大義名分を持ったときの人間の残酷性をこの実験は証明している。
ただ救いとしては、看守役全員が残酷になったわけではないこと。
>There were three types of guards. First, there were tough but fair guards who followed prison rules. Second, there were "good guys" who did little favors for the prisoners and never punished them. And finally, about a third of the guards were hostile, arbitrary, and inventive in their forms of prisoner humiliation.
http://www.prisonexp.org/slide-33.htm

(看守役には3タイプいた。第一は規則を遵守する人。第二は、囚人役に同情し、決して罰したりしない人。第三が、約3分1の人だが、敵意むき出しに、専制的に、囚人のいじめの方法を考え出す人たちだ。)


いずれにせよ、特権とか大義名分を持ったときに、人間の3分の1は残酷になりうるらしい。


個人的には、こういう実験して、しかも現在もどうどうとweb公開している、このPhilip Zimbardoという教授の人間性をどうかと思うが。