国家の罠

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて

抜群に面白い。

数年前、外務省とかムネオハウスとかで騒ぎになったとき、「外務省のラスプーチン」と呼ばれた男が書いたもの。


外務省で、情報分析のプロだっただけあり、実に多くの情報と見事な分析が詰まっている。
また、その人物観察も抜群のものがある。


担当検事の西村検事とのやりとりも、敵味方ながら、友情と信頼で結ばれた奇妙な取り調べであるのも面白い。


まあ、私のブログは、政治や外交やスパイや裁判がテーマではないので、テーマに沿って、他の書評が決して紹介しないであろう部分を、1箇所だけ引用しておく。


P186
エリツィン氏の場合、酔いが回ると、サウナの中では白樺の枝で友だちの背中を叩いたり、また、男同士で口元にキスをしたりする。三回キスをするのがしきたりだが、三回目には舌を軽く相手の口の中に入れるのが親愛の情の示し方である。もう少しレベルの高い親愛の情の示し方もあるのだが、それは日本の文化とかなりかけ離れているのでここでは書かないでおこう。