米長邦雄氏、将棋ソフト盗作で訴えられる

東京都教育委員会のメンバーにして、反ジェンダーフリー業界の重鎮、さらに
「日本中の学校で国旗を掲げ、国歌を斉唱させることが私の仕事でございます」@園遊会の席上
「胸がふくらんだ女性を見たら、むらむらっとくるような男を育てるのだ」
等の発言で知られる米長邦雄氏。

http://tokyo.cool.ne.jp/kunitachi/kyouiku/yonenaga2.htm
http://www.harikatsu.com/nikka2/calen.cgi?mode=view&YMD=20040826&w=4


そんな米長氏が訴えられたそうな。


プロ将棋棋士の武者野勝巳さんの作った、将棋ゲームソフトを、米長氏がぱくった、という訴え。

各新聞で報道されているが、微妙な違いが興味深い。


> 「開発した将棋ソフトに酷似した別のソフトを発売され、著作権を侵害された」として、プロ将棋棋士の武者野勝巳さん(51)が社長を務めるコンピューターソフト会社「棋泉」(東京都新宿区)が19日、永世棋聖米長邦雄さん(61)らに計約4160万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。
 訴状などによると、棋泉は2000年3月、米長さんを監修者とする将棋ソフト「米長邦雄の将棋セミナー21」を発売。翌年、米長さん側が「ソフトは失敗作だ」と販売停止を求め、棋泉は応じたが、02年3月、米長さん側が「みんなの将棋」を発売した。二つのソフトは、将棋の入門者がルールから実戦まで段階的に学べる構成、練習問題などがほとんど同じだとして、「無断で同じ内容のソフトを製作、発売したのは著作権の侵害」と主張している。
http://www.yomiuri.co.jp/net/news/20050520ij51.htm


とここまでは、各紙ともほぼ同じ。


そこからちょっと違う。


読売。
>これに対し、米長さんは「著作権は米長側に帰属するとした契約書がある」などとコメントしている。
サンケイスポーツ
>米長氏は「契約に著作権著作者人格権米長邦雄に帰属すると明記してある」としている。
http://www.sanspo.com/shakai/top/sha200505/sha2005052012.html


と、読売、サンケイスポーツは、米長氏のコメントだけ、掲載。
これだけ読むと、
「契約書に、『著作権は米長側に帰属する』と書いてあるのなら、米長氏の主張が正しいのでは」
と思うかもしれない。


だが、朝日を読むと、ちょっと話が違う。


> 先につくられたソフトに関する契約書には「米長企画の作成した詰め将棋の問題、実戦譜解説らに含む表現についての著作権著作者人格権は米長企画に帰属する」とある。武者野氏側は「米長氏側の著作権が認められるのは詰め将棋と実戦譜解説だけだ」としている。
 〈米長氏の話〉「著作権及び著作者人格権は米長に帰する」と契約書の第1条に明記されている。
http://www.asahi.com/shougi/news/TKY200505190259.html


と、武者野氏側の主張も掲載。
つまり、「著作権及び著作者人格権は米長に帰する」は、ゲームソフト全体ではなく、「米長企画の作成した詰め将棋の問題、実戦譜解説らに含む表現についての著作権著作者人格権」と、詰め将棋の問題、実戦譜解説らに限定したものであることが分かる。


裁判もここがポイントであろうに。


たとえていうなら、
「愛する男性からは、おっぱいをもまれるとうれしいわ」
といった女性に対して、愛されていない男性がおっぱいをもんでおいて、訴えられたら、
「『男性からは、おっぱいをもまれるとうれしいわ』といったじゃないか!」
といったレトリックのようなものか。


というわけで、新聞は予想通り、親米長の読売・サンケイVS反米長の朝日、という構造か。
新聞を読むのにも要注意である。


いずれにせよ判決は楽しみ。


武者野サイト
http://www.koma.ne.jp/mario/
米長サイト
http://homepage1.nifty.com/yonenaga-kunio/sakusaku/2_1.htm
関連掲示
http://www.koma.ne.jp/joyful/joyful.cgi?