雪だるまを作ってみた。
ちょっと自分に似ていると思った。
さっそく、今年のセンター試験、国語、松村 栄子「僕はかぐや姫」から出題された第2問を読む。
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/jyuken/center06/etc/kokugo/10.html
主人公は高校1年の女子文芸部員2人。
周囲にちょいと違和感があり、ちょいと孤立気味で、2人とも自分のことを「僕」と呼ぶ。
うーむ。
西炯子の漫画のような展開だな。
で、結局。
その一人は、高3になると、自分を「あたし」と呼ぶようになり、男性と交際するようになった。・・・・
なんか思春期のアイデンティティ獲得の切なさが微細に描かれてよい作品。
でもこれ入試問題なんだ。
せっかくなので、問題といてみる。
難しい。
どれもあっているように思える。
とかぶつぶつ言いながら、解き終える。
答え合わせをしたら、おおっ、全問正解だった。
著しくQOLが向上した。
今日の朝日新聞にこんな記事。
http://www.asahi.com/national/update/0122/TKY200601210360.html
>幼少期の精神的暴力、自傷行為の危険9倍 鹿児島大調査
2006年01月22日15時44分
子どものころに家族から精神的暴力を受けた経験のある人は、そうでない人に比べ、リストカットなどの自傷行為に走るリスクが約9倍になることが、鹿児島大心身医療科チームの調査でわかった。家庭の崩壊や学校で無視された経験なども、リスクを高めていた。こうした疫学調査は、少ない。22日に東京都内で開かれる日本心療内科学会総会で発表される。
九州の5大学に通う1〜2年生1626人を対象に調査票を配布し、1592人(男性831人、女性761人)から回答を得た。リストカットや壁に頭をぶつけるなど、自傷行為の経験者は120人(7.5%)に上った。
「家族からの放任や罵倒(ばとう)などを経験した」と答えた人が自傷行為するリスクは、そうでない人の8.7倍だった。同様に「第三者からの性的暴力を受けた」が5.8倍、「教師や友人からの無視を経験した」が5.5倍、「両親からかわいがられた経験がない」が4.2倍だった。
自傷行為は専門家の治療が必要だが、小中高生では学校の養護教諭が相談に乗る場合が多い。調査を担当した増田彰則講師は「リスクが分かっても自傷行為を防ぐことは難しいが、対応の参考にして欲しい」という。
この問題に詳しい臨床心理士の長谷川博一・東海女子大教授は「疫学的調査は少なく意義がある。ただ、男子はたばこの火を押しつける、女子はリストカットが多いなど自傷行為のパターンは異なる上、いくつかの理由が複合して起こるため、こうした観点からの分析も必要だ」という。
引用以上。
正直言って、「なんだかなあー」というところ。
発表聞いたわけでないので、判断材料はもっぱら記事からだが。
この研究が、示したのは、「自傷行為の経験者では、『家族からの放任や罵倒(ばとう)などを経験した』などと答えた人が多かった。」ということ。
このことは、因果関係として、「幼少期の精神的暴力」が原因で、「自傷行為」が結果であることを示すのではない。
つまり、因果関係が逆の可能性もある。
すなわち「自傷行為をしている人」(原因)は、過去をネガティブに捉え、「幼少期に精神的暴力を受けたと答える」(結果)の可能性もある。
あるいは幼少期から、通常は暴力と感じないようなことも、非常に繊細に暴力として感じた、という可能性もある。
調査対象は大学生であり、客観的に見れば、自分の力で大学に進学したものを除けば、親のおかげで、大学に行ってるわけだから、「両親からかわいがられた経験がない」とはなかなか言いにくいと思う。
進学させてもらった分、十分可愛がってもらっているわけで。
にもかかわらず、そう答えるとしたら、かなり認知がネガティブでは。
いずれにせよ、きわめて主観的に答えられる質問なので、過去の客観的事実とはいいにくい。
もちろん、過去の外傷体験も、重要ではあるのだが、その人自身が、過去あるいは現在の出来事をどう主観的に捉えて答えるかという視点も共に持つべきだと思う。
昨日の、“Handedness, functional cerebral hemispheric lateralization, and cognition in male-to-female transsexuals receiving cross-sex hormone treatment.”(ホルモン療法中のMTFTSの、利き腕、機能的大脳半球左右機能分化、認知)だが。
著者のwisniewskiのサイト
http://facstaff.l3.drake.edu/abwisniewski/
および論文全文、
http://facstaff.l3.drake.edu/abwisniewski/papers/6.pdf
を発見。
肝心の利き腕に関しては、
方法:
>Handedness was assessed using the resulting in a scaled score with exclusive left-handedness rated at one extreme (−1) and exclusive right-handedness at the other (+1).
(利き腕は、Edinburgh Hand-edness Questionnaire (Oldfield, 1971),を用いて評価した。この評価は、完全に左利きがマイナス1点、完全に右利きがプラス1点と評価される。)
結果:
>A marginal group difference was observed for hand-edness between MF (M= 0.49; range, −1.0 to 1.0) and control subjects (M= 0.75; range, −0.3 to 1.0), where MF individuals exhibited a trend toward less exclusive right-handedness compared to control men (t(40) = 1.75, p = .07; unavailable data for one MF subject).
(MTFTSと対象群間では、不十分ながら違いを認めた。MTFでは平均値 = 0.49; range, −1.0 to 1.0で、対象群では平均値 = 0.75; range, −0.3 to 1.0であった。すなわちMTFでは対象群と比較し、完全に右利きのものが少ない傾向であった(t(40) = 1.75, p = .07;MTF一人のデータはなし)。
ということで、統計的なことは良く分からないが、結論的には、MTFTSは、右利きが少ないような、気のせいのような、微妙な結果のようである。