「官僚と医師はなぜ同じ過ちを犯すのか」

官僚と医師はなぜ同じ過ちを犯すのか―組織も思考も行動も「ウリ二つ」

官僚と医師はなぜ同じ過ちを犯すのか―組織も思考も行動も「ウリ二つ」

官僚10年やって、あほくさくなって辞めて、医師になった人が著者。
官僚、医師批判はともにありがちな内容であったが、ありがちなゆえに、結構面白かった。


末尾の、ニコライ・ゴーゴリの言葉も印象的。


>いつの世にも、他人の目から見ればいっこう重要でもなんでもない地位を自分ではさもたいそうらしく思いこんでいる連中があるものである。
http://www.aozora.gr.jp/cards/000207/files/357.html
http://www.kawabekeiji.com/

「少年犯罪の深層」

少年犯罪の深層―家裁調査官の視点から (ちくま新書)

少年犯罪の深層―家裁調査官の視点から (ちくま新書)

著書は家裁調査官の立場から、理解困難な非行少年のケースに、アスペルガー障害を有することが多いことを主張し、広めた人。
ある意味今日の日本におけるアスペルガーブームの立役者の一人とも言える。


本書も、その著者の専門、興味が色濃く反映。
最近のケースや、過去のケースを、アスペルガー発達障害の観点から鮮やかに描き出す。


ただ心配な点は2点。
1. 著者の意図に関わらず、素人は、「アスペルガー=犯罪」と思うかもしれない。
2. 記載内容に一部変更があるとはいえ、実際のケースに基づいたものを、学術発表ならともかく、一般書に書いていいものなのか。守秘義務もあろうに。関係者が見れば一発でわかってしまう気も。


あと、この4月から、著者は東京の家裁から、大阪家裁に転勤になったようで、あとがきにあった、以下の文章が印象的。

>この詩の「私たちはつねに別れていく」という一節には泣ける。

「Age Wave」

NHKやさしいビジネス英語ベスト・セレクション (Vol.1) (CD book)

NHKやさしいビジネス英語ベスト・セレクション (Vol.1) (CD book)

あまたある、英会話テキストの中で、値段の手ごろさ、英語の実用性、内容の面白さで、私が一押しなのは、「やさしいビジネス英語」。


これはビジネスにおける、発想や常識も教えてくれるので、私のようなやくざな職業のものには、大変参考になる。


その中で特に印象的なのは、lesson13に出てくる、「cyclic idea of lifestyle」(サイクル的なライフスタイル)という、考え。
これは、これまでは
「教育→仕事→引退→墓場」
という「linear lifestyle」(直線的なライフスタイル)だったのが、これからは
「教育→仕事→娯楽→教育→仕事」
と、中年になって再び、勉強して新たな人生を開始する、サイクル的なライフスタイルになるというもの。
何度でも人生楽しめる、人生の二毛作、三毛作、という感じだ。
中高年危機への対処法としては有効かもしれない。


Age Wave C

Age Wave C

その「cyclic idea of lifestyle」のネタ本が、Age Waveという1990年ごろのアメリカのベストセラーらしい。
読んではないんだけど。