精神療法と評価

SOCでは、ホルモン療法、手術に向けて、メンタルヘルス専門家による評価は必須だが、精神療法は必須ではない、としている。
言いたいことはわかるが、ちょっとしっくりこない。
というのも、評価と精神療法はそう簡単に二分できないからである。


評価のためのすぐれた面接とは、精神療法的である。
的確な質問をしてくる面接であれば、「この人は自分のことを分かってくれる」と感じるだろうし、自分の問題への理解も進むだろう。
あるいはとんちんかんな質問や、不適切な質問であれば、面接によりショックを受けたり、「自分のことは誰もわかってくれない」と感じるかもしれない。


また、精神療法の進展により、評価が深まることもある。
すなわち不安抑うつなどで見えにくくなっていた問題が、明確に浮き上がってきたり、面接者との信頼関係の構築により、本音が語られ始めることもある。


そんなわけで、評価と精神療法はそう簡単には二分できない。


ただ単に「評価」をしたいなら、質問紙にでも、マークシートで答えてもらい、コンピューターが採点すればよいと思う。