生活保護を受け、逆ハーレムの女窃盗

ちょっと古い記事だが、下記記事を見つけた。
> 「私、性同一性障害で、戸籍上は男……でも手術して、体は女。結局戸籍が男だから、矯正施設内では男性処遇になるんです……下着は女性のものを身につけられないし、髪を切らなければいけなかったり、はっきり言ってメンタル面で支障きたしてます!」

 なんとオカマ。


と、読売新聞で、堂々と「オカマ」が侮蔑的表現として紙面に活字になっているのに驚いた。


http://otona.yomiuri.co.jp/life/jikenbo/20090908_01.htm
おとなの事件簿 法廷から
生活保護を受け、逆ハーレムの女窃盗
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 ある日の簡裁法廷、女の窃盗。痛んだ茶髪のショートカットにメガネ、Tシャツの袖を長渕剛みたいにまくりあげ、太った体をゆらしながら法廷に入ってきた被告人は傍聴席を見ながら「いっぱいいるね〜!」と弁護人にドスのきいた声で明るく話しかけていました。男まさりな女の人って雰囲気です。

 こちら初公判ではなく審理だったため、詳細は会話から推測するしかなかったのですが、分かった限りの詳細は以下のようなものでした。と言っても、あまりに現実離れしてるんでどこまで本当か分かりませんが……。

 被告人は東京都某区で生活保護を受け、区が用意してくれた女子寮に住んでいました。一見生活が困窮してそうでいながら、彼女は会社を設立しようとしていたところだったそうです(そんな彼女の謎に満ちた経済事情は後述)。ある日、福祉事務所の前で2人の男に出会います。彼らは家がなく、生活が苦しいため、後々設立する予定の彼女の会社で働かせることにして、とりあえず彼女の女子寮に住まわせていました。

 そんな折、彼らの友人2人がさらに彼女の住む女子寮に転がり込んできます。区の用意してくれた住居に(しかも女子寮)総勢5名、逆ハーレム状態で住んでいた被告人ですが、ある日、男の1人が彼女に万引きの実行を依頼しました。断りたかったけど銃をみせられ断られず、某ホームセンターで、カレー用牛肉、炊飯器など脈絡のない品々を59点も万引きして(盗りすぎ!)店を出たところ、現行犯逮捕されました。

 彼女はその万引きは全て同居人フクシマが、現場にいる彼女に指示したと言っていますが、肝心のメールは全て削除され(もともと存在しなかったのかは謎です)、フクシマと名乗る男も逃走し、存在が確認されていません。

出会い系でスポンサー探し まあそれらの概略はさておき、この裁判は被告人がとってもパンチのある発言を繰り返していました。まず経済状況について聞かれれば相変わらずの低い声で

 「まず生活保護で生活費をまかなって、残りの遊興費は、まあ、出会い系サイトですね。スポンサーを募って、私の企業に出資してくれる人を探すんです。昔、服役する前は(服役の過去もあるようです!)アーティストやってたんで、その時の写真とか送ったりして、これから会社作るから支援してほしいって言うんです」

 って言ってますが出会い系サイトで出資者って……!? なんかのケータイ小説かよっていうくらい現実味のない話です。

 「会社に対して出資してくれる人は、ウン千万、ウン億くらい出しますね。オフィスも六本木ヒルズの35階を借りますよ!仮契約してますから。そして事業の企画書を提示するんですよ。そうすると、2千万、5千万、1億と。」

 マジっすか!?そんなに金持ってるならフクシマに脅迫されたときも金を渡せばよいのでは……? それより何より、生活保護もらう必要ないんじゃないの……?

 「出資じゃなくて、援交目的の人は、話をしても2万とか5万とか。そういうときはお金だけいただいて帰ります」

 と、すました顔で女のプライドを見せていましたが、結局出資じゃなくてただの援交なんじゃ……!?

 聞いてて、なんか恐ろしかったです。

 しかも続けて彼女はこう述べました。

 「私、性同一性障害で、戸籍上は男……でも手術して、体は女。結局戸籍が男だから、矯正施設内では男性処遇になるんです……下着は女性のものを身につけられないし、髪を切らなければいけなかったり、はっきり言ってメンタル面で支障きたしてます!」

 なんとオカマ。低い声、腕まくりしたTシャツの袖、全て納得がいきました。

 服役前科があるので確実に刑務所行きな彼女、矯正施設についての不満を滔々と述べていましたが、百歩譲って彼女の話が全て本当だとしても、そんなに金があるならその生活を翌日にでも改められるんだし、会社を興そうというガッツもあるんだから、すぐに生活を変えればよかったのに、と傍聴席からツッコミたくなるほどでした。

 結局、話が長過ぎて、求刑などは次回へ持ち越し。一体どうなるのか、気になるところです。

◇ ◇ ◇

去年からこちらで記事を書かせて頂いておりました私ですが、もろもろの理由で、こちらの連載は今回でヤメることにいたしました。またどこかでお会いする事があると思います。お元気で!

(文・高橋ユキ


(2009年09月08日 読売新聞)