性同一性障害、延べ7177人受診 日本初の全国統計

下記記事中MTF,FTM不明者が850名いるが、これはKメンタルクリニック850名のもの。その後の調査で850名の内訳は、MTF370名、FTM480名と推定されたが、本報道には反映されず。この統計を加えた場合には、7177名中、MTF3031名、FTM4146名となる。
また、戸籍変更者は841名とあるが、これは平成19年最高裁速報値の認容数が267名でなく268名であったため。これは統計に変更があったのか、聞き間違いであったのかは未確認。


2008.4.22神戸新聞
性同一性障害、延べ7177人受診 日本初の全国統計

http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000966310.shtml
 心と身体の性が一致せず苦悩する「性同一性障害GID)」で医師の診察を受けた人が、全国の主要専門医療機関で二〇〇七年末現在、延べ七千百七十七人に上ることが二十一日、日本精神神経学会性同一性障害に関する委員会(中島豊爾委員長)の調査速報値で分かった。日本初のGID患者の全国統計。調査結果は、診断と治療のガイドライン作成から十一年を迎える医療現場の検証や、行政の施策などに活用されそうだ。(霍見真一郎)
 〇四年七月に施行された特例法は、独身の成人で子どもがおらず、性別適合手術(性転換手術)をしているなどの条件を満たせば、戸籍の性別変更を認めている。
 しかし、〇七年末までに性別変更が認められたGID患者八百四十一人(最高裁判所速報値)に対し、国内で手術したのは二百二十人。多くは海外で手術している実態が今回の調査で浮かび上がった。
 調査対象は、岡山大や埼玉医大大阪医大、関西医大など全国九つのジェンダークリニック。一人の患者が複数の機関で受診しているケースもある。
 心は男性で身体は女性の患者(FTM)は延べ三千六百六十六人。心は女性で身体は男性の患者(MTF)同二千六百六十一人より約千人多く、海外の実態とは逆の結果が出た。国内で手術したFTMは百六十四人と、MTF(五十六人)の約三倍だった。
 日本初の公的な性別適合手術を実施した埼玉医大の受診者は千二百人。MTFの四百三十人に対しFTMは七百七十人で、一対一・八の割合。性別適合手術をしたのは計百六人だった。
 中島委員長は「(診断と治療の)ガイドラインを作った責任として、実態を把握する必要があった」と説明。特例法に関しては、患者らから性別変更条件が厳しすぎるとの指摘も多く、法改正の議論などにも影響を及ぼすとみられる。
■こんなに多いとは 大島俊之・GID学会理事長の話 受診者がこんなに多いとは思わなかった。初めて実数が出たことに大きな意義がある。地方では専門医にかかれない人も大勢いると思われ、もっと多くの患者が潜在しているだろう。性別適合手術は大半が海外で受けており、国内でも手術できる拠点を増やす必要がある。
(4/22 08:40)