フィラデルフィア美術館展へ。
http://www.phila2007.jp/
近代から現代の名作がちょかまかとあり、幕の内弁当のように、美味。
中でも意表をついて、印象に残ったのが、ルノアール。
ルノアールは人気ありすぎて、これまで食傷気味だったが。
「ルグラン嬢の肖像」が素晴らしかった。
この少女のかわいらしさはもちろんだが。
すごいと思ったのは少女の着ている黒い服の素材感の描写。
なんかテカテカした感じの黒い服で、今で言うとメイド服の素材のような。
この服の感触をみごとに描いている。
さらに少女の髪毛のフンワカした感じも見事に描いている。
すなわち、服の素材や、髪の毛といった、感触へのフェティシズムを激しく感じる。
そうしてみると、次の「大きな浴女」も、豊満女性特有のプヨプヨとした肌の感じを実にうまく描いている。
結論としてはルノアールは、人間の内面ではなく、外面というか表面をフェティッシュに描き出し、そこにこそ人間の本質を見出している、恐ろしい画家だと思った。