薬指の長さで運動の素質がわかる?

http://news.ameba.jp/2006/09/wo0929_2.html

薬指の長さで運動の素質がわかる?
【ロンドン 28日 ロイター】

 女性の薬指の長さを見れば、運動の素質があるかどうか分かる――28日、ロンドンのキングス・カレッジの研究者たちが、こんな調査結果を発表した。

 研究者たちは、英国出身の25歳から79歳までの女性の双子607組を対象とした、大規模な調査を行った。これらの女性の手の大きさを測り、それまでの人生で彼女たちがおさめてきたスポーツの成績と比べたのだ。

 調査結果は、スポーツ医療の専門誌に発表された。それによると、人差し指よりも薬指の方が長い女性は、走ることや、サッカーやテニスなど走ることに関連のあるスポーツの方が得意だ、ということが分かったという。

 女性は一般に、薬指と人差し指の長さが同じか、薬指の方が短い。一方男性の場合は、薬指の方が長いのが一般的だ。

 人差し指と薬指の比率を調べることで運動の素質を見極めるのは、「他人と競争する前の段階で、才能ある人物を識別するのに役立つかもしれない」と、報告書は述べている。

 これらの所見に明確な根拠は見出せなかった、と語るのは報告書を作成した研究者の一人でキングス・カレッジで双子の研究を専門とするスペクター教授。教授は当初、指の長さと運動能力との関係について、懐疑的な考えを持っていたという。「これまでの研究では、指の長さの違いは、子宮にいるときの男性ホルモンの量の差が原因だとされていました」と教授は語った。

 だが、研究部門が今回の研究とは別に行った双子に関する研究で、指の長さは遺伝による部分が大きい、という結果が出た。これで、運動能力の高い両親から運動能力の高い子どもが生まれることの説明がつくかもしれない。

 教授は、「我々の研究では、指の長さは70%が遺伝によるもので、子宮にいるときの環境によって影響されることはほとんどない、という結果が出ました」と語った。「つまり、主な要因は遺伝子であり、指の長さは遺伝子のマーカーである、と考えられます」。

 教授によれば、運動能力との関連をあらわす遺伝子は特定されておらず、複数の遺伝子による作用かもしれない、という。
指の長さと運動能力の関係についてはこれまでも研究が行われていたが、そうした研究は主に男性に焦点をあてたものだった。2001年に発表された、英国人プロサッカー選手304人を対象とした研究では、選手たちは一般男性533人と比べて、人差し指に対する薬指の比率が際立って大きい、という結果が出ている。

 男性を対象としたそのほかの研究では、人差し指に対する薬指の比率は、性的能力や音楽の能力、特定の病気にかかりやすい性質など、さまざまな特徴と関連づけられるという結果が出ている。


本ねた論文。
The Big Finger - The second to fourth digit ratio (2d:4d) is a predictor of sporting ability in females
Simon N Paul 1*, Bernet S Kato 1, Janice L Hunkin 1, Sindu Vivekanandan 1 and Tim D Spector 1

BJSM Published Online First: 28 September 2006. doi:10.1136/bjsm.2006.027193
http://bjsm.bmjjournals.com/cgi/content/abstract/bjsm.2006.027193v1


学会発表のもう少し詳しいabstract
http://rheumatology.oxfordjournals.org/cgi/reprint/45/suppl_1/i114.pdf#search=%22a%20predictor%20of%20sporting%20ability%20in%20females%20%22