カルティエ現代美術財団コレクション展

カルティエ現代美術財団コレクション展へ。
http://mot-art-museum.jp/special/cartier/


どれもこれもすばらしくて、満喫した。
なかでも、最高なのは、デニス・オッペンハイムDennis OppenheimのTable Pieceという作品。 
http://media.excite.co.jp/ism/099/03art_works5.html
果てしないほど細長いテーブルの両端で白い人形と黒い人形が向かい合い座っている。
でなにやら大声で論争を続けている。
大声は意味のある言葉にはなっていなくて論争の内容は不明なんだけど、ふたりとも必死である。
それを、はたから見る観客からすれば、ただの笑うべきナンセンスにしか過ぎない。
解説によれば、論争の内容は、アイデンティティについてだそうだ。
そう聞くと、黒人と白人が民族アイデンティティをめぐって激しくバトルしているようにも思える。
しかしよく見ると二つの人形は同じ顔をし、ふたりとも同じことを同時に叫んでいる。
また、細長いテーブルも黒から白の色は徐々に変化している。
すなわち、この二対の人形は、対立する二人の人間ではなく、同じ人間の2面なのかもしれない。
アイデンティティについて当人が白か黒かと必死に悩んでも、結局はどちらも同じことだということか。
あるいは本人は必死に葛藤していても、周囲から見れば意味不明のことを言っているということか。