「ベニスの商人」

ベニスの商人」鑑賞。

ヴェニスの商人 [DVD]

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かなり面白かった。
原作読んでないので、どこまでが原作どおりで、どこら辺が映画のオリジナルかはわからないが。


一般に、「ケチで冷酷なユダヤ人の金貸し」というイメージのシャイロックだが、この映画は、「肉一ポンド」を迫るにいたる過程が丹念に描かれている。
つまり、キリスト教社会の中で、マイノリティであるユダヤ人が差別される中、だんだんとネガティブパワーをシャイロックが蓄積していくわけだ。


裁判においても、ある見方においては、シャイロックの主張にも一理ある。
しかし、マジョリティのロジックの前に、敗れ去る。


いずれにせよ、シャイロックの「ケチで冷酷」なという表面的イメージだけでなく、「マイノリティの悲哀」という面を描いている点が興味深い。