第8回GID研究会報告。

annojo2006-03-19

http://www.ics-inc.co.jp/8gid/
第8回GID研究会報告。(発表者の敬称略)


会場からは、海が広がり素敵。
朝から多数集まり、参加者270名と盛況。


一般演題1。
座長の中島豊爾先生欠席でちょっと残念。


岡山大学:大谷恭平
MTFFTMの性ホルモン関連遺伝子、調べるも、対象群と有意差なし。
Landen論文および、同グループの Sex steroid-related genes and male-to-female transsexualism.に対して、否定的結果。


河村洋子:
脳梁形態、MTFは女性的、FTMは男性的。
AJメモ:ホルモン服用の影響で形態変化の可能性はないか?


大分大学精神科:引地孝俊
これまで14名。
今後、他科協力も得て「性同一性障害相談外来」設置正式決定。


岡山大学泌尿器科:石井和史
2005:12までに受診者459.FTM257.MTF202.
AJメモ:永井敦先生は、川崎医大教授に。


岡山大学産婦人科:安達美和
FTMのホルモン療法では、動脈壁硬化傾向あり。


AJメモ:
・ 医療者の発表レベルは格段に進歩。症例数が集めやすいのは、医療機関少なく、当事者が医療化されることに抵抗がないという側面もありか。
・ 質問で、ナグモクリニックの南雲院長のお顔拝見。イケメンでびっくり。50歳と聞きまたびっくり。


一般演題2
お茶の水女子大学三橋順子
http://plaza.rakuten.co.jp/junko23/diary/200603190000/

永井明(明子)は日本初の性転換者で、1953年以前に戸籍を訂正。
三橋さんは、永井氏とペアルック?着物で登場。


櫻庭京子
声パス度、測定コンピュータ。
声入れると「96点」とか点数が出る。
AJメモ:そのうち外見パス度もコンピューターが採点?


伊東聡
FTMは4タイプに分かれる。
>4タイプあって「ゴルゴ型」の対になりそうなのは「のび太型=ガイドライン二版時代」。特徴はゴルゴと同じようにアイテムや情報の使い方が抜群ですが、自己顕示欲が強く依存的なところが違うところ。カムアウトは平気かつFTMである自分を「認めて」の傾向が強い。「のび太型」は戸籍変更のメリットをあまり感じていないから実際には運動にはほとんどかかわっていない。アイテムのひとつとして気軽に利用するだけ。むしろ自助活動や性教育改革など啓蒙的な、どちらかというと「広報的」な役割を果たしたと思う。だからこの作品、もしも「のび太型」のFTMFTM理解のベースになっているとするとアイテムを披露してしまう書き方もそのせいと思うが「戸籍変更」の話を書くときにどうなるんだろう…。ちなみにあとの2つはガイドライン前の「大門圭一@西部警察型=親分・マスター型」とおなじみ「鶴本直=金八以後、個性追求型」です。


以下中座しましたので、抄録集よりいくつか。
一般演題3
ナグモクリニック:山口悟
1994-2005:FTM256名に乳房切除術。


埼玉医大:高松亜子
FEMSRS49例。22例はlabial ring flapによる尿道延長術。立位排尿は22例中15例。


埼玉医大:大槻祐加子
腟閉鎖はしないほう侵襲が少ない。


ここから復活。


一般演題4
クローバー:桑原タケル
http://www.geocities.jp/croverftm/
4人の子どもを持つFTMとしての経験から、「子の福祉」を考える。


削除連:山田奈々
http://sakujo.org/
こなし要件削除を
削除連:山田奈々
医療機関に実数調査アンケートする。
質疑:いつき:「婚姻要件は?」、山田「こなし削除に専念」


gid.jp:山本蘭
15の政策提言
障害者手帳のように「性同一性障害手帳」というようなものを作ってはどうか。
gid.jp:山本蘭
当事者の実態調査。
性別変更者:特例法を評価。
性別変更できないもの:特例法を評価せず。
サイトで結果は発表する。


AJメモ:時間がないせいもあり、質疑コメントなし。


総会:
・名称が「GID研究会」から「GID学会」に。
・ 次回学会:2007・3・17・所沢のミューズ。学会長、赤心クリニック内島豊先生。
・ 次次回学会長:大阪医大、康純先生。


AJメモ:次回当事者交流会幹事はTNJが検討中?


シンポジウムI「GID特例法の改正に向けて」
森村さやか (G-FRONT関西):全ての要件を検討し、多様な当事者全てにできるだけよいものに。


康純(大阪医科大学神経精神医学教室):医師からみてSRS要件は問題では。


大島俊之(神戸学院大学 法科大学院):こなし要件は立法の過誤。


AJメモ:比較的淡々と終わる。


シンポジウムII「ガイドライン第3版について」
塚田攻(埼玉社会保険病院精神神経科
治療段階方式でなく、アラカルト選択式に。
倫理委員会廃止し、治療チームに有識者加えて判定。


高松亜子(埼玉医科大学総合医療センター形成外科):
埼玉医大実績2005年12月まで
FTM:乳房切除術163、SRS36, 陰茎形成11
MTF:SRS12
アラカルト選択のパターン別、長所短所比較。


AJメモ:長所短所比較がわかりやすかった、埼玉医大MTFSRSは最近増加傾向。


野宮亜紀:
責任とは?


AJメモ:とっくに発表されるはずが、いまだに発表されていないのが実は最大の問題。でもさすがにもうすぐ正式発表予定。


特別講演「原科孝雄先生理事長退任記念講演」
AJメモ:興味深いスライドの数々。でも個人的には最後の虎井さんの結婚式写真にびっくり。


イブニングセミナーII「当事者の方々のための研修会」
130人ぐらいでちょうど満席となる。
笑いは取れる。
詳細は以下サイト詳しい。
http://d.hatena.ne.jp/hisamura75/20060319/p3

イブニングセミナーの一部データは後日アップ予定。


というわけで無事終了。
全体的感想としては、医学的な議論はそれなりにあったが、大体においては、またーりとした雰囲気で、特に午後は居眠りする人もあちこちにみられて、のんびりとした一日であった。


ただ、事務局の方は何かと大変だったようで、福岡大学の先生方はどうもお疲れ様でした。


終了後、面識はないが、blogが面白く、勝手にアンテナに加えていたid:mizututa様からお声をかけていただき感激。


で懇親会。
大いに盛り上がり記念撮影。

一応掲載許可は何度もとったが、酩酊時のことであり、「やはり掲載しないでほしい」というひといれば、メールください。


そのあと二次会。
「blogやってるあなたも私も自己愛性人格障害」ということで結論づく。


12時ころにまじめに就寝。


他の人のGID研究会レポート
Feel Pink, Find Seven
http://d.hatena.ne.jp/hisamura75/20060319/p2
詳しくレポート。
http://d.hatena.ne.jp/hisamura75/20060319/p3
『当事者の方々のための研修会』レポート。


オタクでアレゲィ:mizututaのチラシの裏
http://d.hatena.ne.jp/mizututa/20060320
詳しくレポート。夕日写真美しい。


いつきの不定期日記
http://d.hatena.ne.jp/ituki/20060319
笑いを取りつつ。


もりむらさやかの私的な日記
http://blogs.yahoo.co.jp/morimura_sayaka/30232588.html
感想中心。


伊東聰様
http://www.geocities.jp/stshi3edgid/rp_gid_8.htm
大変詳しい。特にFTMの視点から。


続・たそがれ日記
http://plaza.rakuten.co.jp/junko23/diary/200603190003/
前半部分、鋭い批評
http://plaza.rakuten.co.jp/junko23/diary/200603190001/
後半部分、鋭い批評
http://plaza.rakuten.co.jp/junko23/diary/200603190000/
三橋順子発表要旨