戸籍変更者の実際

夏休みの宿題がたまっていて、ブログ更新の時間がない。
というわけで、今書いている文章そのまま貼り付け。


>戸籍変更者の実際
最高裁判所の発表は、上記した物以上の詳細な情報は発表していない。そこで筆者が実際に診断書を作成したものたちの臨床的特徴の統計を以下に記すことにする。
なお、以下においてFTMとは女性から男性に変更するもの、MTFとは男性から女性に変更するものをさす。
筆者は2006年7月31日までに61名(FTM19名、MTF42名)の性同一性障害者の戸籍変更のための診断書を作成している。そのうちの47名(FTM16名、MTF31名)から、裁判所における審判結果の報告を得た。報告のない14名は現在審判中のもの、まだ申立していないもの、審判結果はでたが報告していないものなどと思われる。報告された内訳は、MTF1名は却下、ほか46名(FTM16名、MTF30名)全員が許可例であった。以下は許可例46名についての臨床統計を記す。
1)年齢
FTM:平均年齢32.4歳、最少年齢20歳、最高年齢53歳。20歳代4名、30歳代10名、40歳代1名、50歳代1名。
MTF:平均年齢32.8歳、最少年齢23歳、最高年齢45歳。20歳代7名、30歳代19名、40歳代4名。
2)性別適合手術前の精神科医受診
FTM:2名以上の精神科医受診16名。
MTF精神科医受診なし5名、1名の精神科医受診7名、2名以上の精神科医受診18名。
3)手術実施医療機関
FTM:国内のジェンダークリニック7名、国内のジェンダークリニック以外の医療機関2名、タイ5名、台湾1名、アメリカ1名。
MTF: 国内のジェンダークリニック2名、国内のジェンダークリニック以外の医療機関4名、タイ21名、シンガポール2名、アメリカ1名。
4)FTMの手術内容
子宮卵巣摘出術のみ7名、子宮卵巣摘出術・尿道延長術・陰核陰茎形成術8名、子宮卵巣摘出術・陰茎形成術1名。

ほんとうのじぶん ―性同一性障害の子どもたち 2.違和感

神戸新聞2006.8.1.
http://www.kobe-np.co.jp/rensai/200607gid/02.html
2.違和感 (2006/08/01)
耐えながら迎える成長

 兵庫県播磨地域の小学二年優(ゆう)(7つ)=仮名=が出会った同じ性同一性障害に苦しむ小学四年の春(はる)樹(き)(9つ)=仮名=は、年下の子どもに「男なの? 女なの?」とよく聞かれるという。どう答えるのか春樹に尋ねると、むっつりした顔つきで「無言」とだけつぶやいた。

 母は「なんで言わないの」と口を挟んだ。春樹はいら立った様子で「無言」と繰り返すだけ。「女だよって言いなさいよ。これからそういうこと多いよ」。言い聞かせる母を見ようともせず、顔をゆがめた。

◇   ◇

 実はこの質問を、これまで何度も春樹に尋ねたのは、母自身だった。

 幼いころから春樹は女児に多い趣向を見せていたが、「一過性のもの」と考えていた母。しかし小学校入学前、初めて性別を聞いた。

 春樹は「女だよ」と、はっきり答えた。「おちんちんは、生まれたときに神様が付けていけと言ったから付けてる。大人になったら、おもちゃだから取れるんだよ」とも。そして、泣いた。傷ついたようだった。

 母は信じられず、日を置いて、幾度か同じ問いを投げかけ、そのたびに泣かれた。

 あるときは、「いつから女の子になりたいと思っていたの」と聞いた。春樹の答えはこうだった。「なりたいんじゃなくて、(生まれたときから)女の子なの」

 その春樹が今、性別については口を閉ざすようになっていた。

 春樹が優にあてた手紙がある。そこに、こんな一文があった。「男女、関係なく、頑張って学校に行っています」

 性同一性障害の当事者は、自分の身体の性別をはっきり認識している。小学四年になった春樹は、幼いながらも、身体の性別が変わらないことを悟った。そして、その小さな身体で、猛烈な違和感に耐えていた。

◇   ◇

 「来年が勝負です」

 母の声に力が入る。来夏、初めての泊まりがけとなる臨海学校があるからだ。

 学校側の配慮で女児としての通学が許された春樹だったが、周囲の児童に「オカマ」と言われ、何度か登校拒否になった。悪口にも強くなったが、「臨海学校は行きたくない」と言う。

 第二次性徴を迎えた児童は、部屋でも風呂でも明確に男女が分かれる。「男女、関係なく」対応するのは難しい。母は春樹が風呂に入れないのも覚悟している。

 「理解できない保護者には、分かってもらえるまで説明したい。一生に一度の思い出を経験できないのはかわいそう」

 校長は、臨海学校前、周囲に説明する場を用意する、と約束してくれた。

 「絶対行かせてあげる」と母。

 春樹は、無言だった。


人クローン胚の研究利用に関する意見募集中(文部科学省)

なにわ太郎のつぶやき日記より。
http://www.naniwa-j.com/nik/nik.cgi?log=0607&idc=20060729

>人クローン胚の研究利用に関する意見募集中(文部科学省

GID性同一性障害)学会会員各位

理事長 大島俊之

「人クローン胚研究利用作業部会中間とりまとめに関する意見の聴取」に関する文部科学省からの依頼の件

文部科学省ライフサイエンス課生命倫理・安全対策室からGID学会事務局宛で、平成18年7月11日付けの文書5通が届いた。

その主要な内容は、下記2つの事項について、会員に広く周知してほしいという依頼である。

1 意見聴取会を大阪と東京で開催する。
(1)大阪会場 平成18年7月29日(土)13:00−17:00
        大阪科学技術センター 大ホール
        大阪市西区靭本町1−8−4
(2)東京会場 平成18年8月26日(土)13:00−17:00 
        東海大学校友会館 朝日・東海・三保の間
        千代田区霞ヶ関3−2−5 霞ヶ関ビル33階

2 広く国民からの意見を募集する。
   期間 平成18年7月12日(水)−平成18年8月31日(木)

詳細については、下記の文部科学省ホームページを参照。
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/07/06072801.htm