うらやすだより

第180回浦安ジェンダークリニック委員会(6/13)報告
 
 ●個別症例検討:5例
   ホルモン療法開始:  3名 承認
   ホルモン療法継続:  1名 承認
   ホルモン療法再開:  1名  承認
   乳房切除術   :  2名 承認(行徳x2)
   性別適合手術  :  0名 承認
   第二次性徴抑制療法: 0名
     ( T M 3名、 T W 2名 )
   
   以上、5名が承認されました。

性別違和の臨床において私が悩むこと 

性別違和の臨床において私が悩むこと 針間克己

こころの臨床現場からの発信ー“いま"をとらえ,精神療法の可能性を探る (精神療法 増刊第9号) 

 

P145-149

こころの臨床現場からの発信(精神療法 増刊第9号) - 株式会社金剛出版 (kongoshuppan.co.jp)

 

 

はじめに

本誌の原稿の依頼にあたっては、「書きたいことをご自由に書いてください」との趣旨であった。私自身は、「これこれ、このようなテーマで、お書きください」という具体的指示に伴う原稿を書くことはなんとかできるのだが、「ご自由に」というのは、非常に苦手である。困った困った、と思ったが、せっかくの機会なので、普段は書くことが少ない臨床場面で日々悩んでいることを書くことにする。通常の具体的原稿依頼であれば、教科書的模範解答に近い原稿を書くように努めている。ただ実際の臨床場面では、教科書的模範解答では収まらないさまざまな難しい問題がある。周りに相談する仲間も乏しい開業医としては、一人で悩み続けて、答えが出ないままとなっている。悩みの多くがそうであるように、問題点が自分の中で明確に整理されていないので、文章化するにあたっても、あまり明晰に書けない恐れもある。ただ、そういう混沌とした思考の中にも、原石のように、今後の臨床において有用なヒントやテーマが隠されているのではないかと思う。思いつくままに原稿を書いていくので、読み苦しくなるかもしれないがご容赦いただきたい。

 

以下本文部分略

 

性別違和の臨床

共感、受容と診断

中立的態度と身体治療適応の条件

性同一性障害者特例法の手術要件

病理化と脱病理化

他の精神疾患と治療の適応

成人年齢の引き下げ

 

 

おわりに

本稿は、性別違和の臨床において筆者が悩んでいることを記した。個人的悩みであっても、性別違和診療の構造的問題やあるいは、精神科診療全体にもかかわる普遍的問題も隠されているかと思い、書かせていただいた。まとまりのない文章となってしまったが、何かのヒントになれば幸いである。

 

 

 

 

 

 

 

DSM-5-TRにおける性別違和診断基準の変更点。

2022年3月、DSM-5-TRが発表された1。性別違和の診断基準に大きな変化はないが、用語がいくつか変更となっている。以下簡単に紹介する。

 

・「disorder of sex development 性分化疾患」→「disorder /differences in sex development」

身体的性分化の多様性を尊重し、disorder /differences  「相違」に。

 

・「desired gender 望むジェンダー」→「experienced gender 体験したジェンダー

 

・「cross-sex medical procedure 医学的性転換処置」→「gender affirming medical procedure ジェンダーを肯定する医学的処置」

反対の性に変えるのではなく、もともとのジェンダーを肯定する治療、という考え。

 

・「cross-sex hormone treatment 性転換ホルモン治療」→「gender affirming hormone treatment ジェンダーを肯定するホルモン治療」

 

・「natal male 出生時が男性」→「individual assigned male at birth 出生時に男性と指定された人」

・「natal female 出生時が女性」→「individual assigned female at birth 出生時に女性と指定された人」

 

・「mastectomy 乳房切除」→「transmasculine chest surgery トランス男性胸部手術」

 

FTMにあるのは乳房ではない??ので、胸部の手術??

 

Gender dysphoria (psychiatry.org)

 

 

 

うらやすだより

第178回浦安ジェンダークリニック委員会(4/11)報告
 
 ●個別症例検討:3例
   ホルモン療法開始:  2名 承認
   ホルモン療法継続:  0名 承認
   ホルモン療法再開:  0名  承認
   乳房切除術   :  3名 承認(行徳x3)
   性別適合手術  :  1名 承認(行徳x1)
   第二次性徴抑制療法: 0名
     ( T M 3名、 T W 0名 )
   
   以上、3名が承認されました。
 
第179回浦安ジェンダークリニック委員会(5/16)報告
 
 ●個別症例検討:2例
   ホルモン療法開始:  2名 承認
   ホルモン療法継続:  0名 承認
   ホルモン療法再開:  0名  承認
   乳房切除術   :  2名 承認(行徳x2)
   性別適合手術  :  0名 承認
   第二次性徴抑制療法: 0名
     ( T M 2名、 T W 0名 )
   
   以上、2名が承認されました。

成人年齢の引き下げと治療

成人年齢の引き下げに伴い、戸籍変更は18歳から可能。子供は18歳に達していれば成人とみなされ可能、となった。

 

では治療は。

ガイドラインは現在改定中だが、現在のガイドラインでも実は既に対応済み。

 

ホルモン:「未成年者については親権者など法定代理人の同意を得ること」

よって18歳から親の同意不要。

胸:「18 歳以上の未成年については親権者など法定代理人の同意を得ること」

よって親の同意不要。

SRS:「⑧成年に達していること。」

よって18歳から可能。

性同一性障害に関する (jspn.or.jp)

うらやすだより

第177回浦安ジェンダークリニック委員会(3/14)報告
 
 ●個別症例検討:3例
   ホルモン療法開始:  2名 承認
   ホルモン療法継続:  1名 承認
   ホルモン療法再開:  0名  承認
   乳房切除術   :  2名 承認(行徳x2)
   性別適合手術  :  1名 承認(行徳x1)
   第二次性徴抑制療法: 0名
     ( T M 3名、 T W 0名 )
   
   以上、3名が承認されました。
 
 
 
よろしくお願いします。

うらやすだより

第176回浦安ジェンダークリニック委員会(2/14)報告
 
 ●個別症例検討:11例
   ホルモン療法開始:  7名 承認
   ホルモン療法継続:  2名 承認
   ホルモン療法再開:  0名  承認
   乳房切除術   :  6名 承認(行徳x6)
   性別適合手術  :  2名 承認(行徳x2)
   第二次性徴抑制療法: 0名
     ( T M 7名、 T W 4名 )
   
   以上、11名が承認されました。