性同一性障害で内定白紙と訴え

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性同一性障害で内定白紙と訴え
2月14日8時2分配信 産経新聞

 性同一性障害を理由に採用の内定を取り消されたとして、静岡市駿河区の女性(33)が、広告デザイン会社「アドテクニカ」(同区)に、約198万円の損害賠償を求める訴訟を静岡地裁に起こしたことが13日、分かった。

 訴状などによると、原告は戸籍上は女性だが、ホルモン治療などを受けて男性として生活。昨年には男性名に変更した。昨年夏、アドテクニカの求人に応募し、願書の性別欄に男性と記載して採用面接を受け、採用が内定した。

 引っ越しなどを済ませた昨年9月20日、アドテクニカに事実を明かしたところ、就業開始日だった翌21日に契約を白紙にすると告げられた。

 アドテクニカは「書類の身元保証人欄が代筆だったことや、当初は戸籍上の性別を偽っていたことなどから内定を取り消した。障害自体が理由ではない」と主張。

 これに対し、原告側は「取り消しは性同一性障害が理由であることは明らか。性別による差別を禁じた憲法の理念に反する」と訴えている。

 訴訟に先立ち、原告は昨年10月、アドテクニカに損害賠償を求める労働審判を同地裁に申し立て、12月に50万円の支払いを命令。双方が異議を申し立て、本訴に移行した。