Gender Identity Disorder症例に対するPitch Elevation Surgery —甲状軟骨形成術4型の有用性—

「Gender Identity Disorder症例に対するPitch Elevation Surgery —甲状軟骨形成術4型の有用性—」拝読。
GID学会でも発表された、東京医科大学八王子医療センター耳鼻咽喉科中村一博先生の論文。


耳鼻科手術の話なのでよく分からないけど。


メモとしては。


・声帯そのものの手術ではなく、輪状軟骨と甲状軟骨の間隔を狭めることで、声を高くする。
・女性声は220-261Hz。術後の平均値は237.8Hz 。(術前平均133.8Hz)。
・局所麻酔のため、患者が自分の望む声を確認しながら手術が可能。
・下手に喉ぼとけを切除している場合には、声が低くなることあり。


以下、サマリー貼り付け
http://www.jstage.jst.go.jp/article/jbes/58/3/58_310/_article/-char/ja/

日本気管食道科学会会報
Vol. 58 (2007) , No. 3 pp.310-319
Gender Identity Disorder症例に対するPitch Elevation Surgery
甲状軟骨形成術4型の有用性—
中村 一博1), 一色 信彦1), 讃岐 徹治2), 三上 慎司3)

1) 一色クリニック・京都ボイスサージセンター
2) 熊本大学耳鼻咽喉科頭頸部外科
3) 奈良県立医科大学耳鼻咽喉科

(受付日 2006/11/06)
(採択日 2007/03/14)

要旨
Gender Identity Disorder (GID)は性同一性障害といわれ,生物学的性別と心理社会的性別が解離している病態である。
今回われわれはmale to femaleのGID (MTF/GID)症例に対し,話声位(SFF)の基本周波数を上昇させる目的でPitch Elevation Surgeryを施行した。その成績について報告する。
症例は1999〜2006年に当院を受診し手術を施行したMTF/GIDの32例である。32例に対し甲状軟骨形成術4型(4型)を施行した。そのうち24例には喉頭隆起切除術を併せて施行した。
32例全例のSFFは上昇した。術前の平均SFFの基本周波数は133.8 Hz,術後は平均237.8 Hzであった。局所麻酔にて手術を施行しているため,全例ともに術中に患者の納得のいく基本周波数に調節することができ満足が得られた。
4型はMTF/GID症例におけるPitch Elevation Surgeryとして有用であると思われた。

キーワード
性同一性障害, 性転換, 喉頭枠組み手術, 甲状軟骨形成術, 声を高くする手術