こころの科学  (2016年9月号) [特別企画]LGBTと性別違和

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こころの科学  (2016年9月号)
針間克己/編
特別企画 LGBTと性別違和


LGBTと性別違和
針間克己
 昨年(2015年)、東京都渋谷区と世田谷区で、同性カップルのパートナーシップを認める制度が開始された。また国会でも、LGBTの権利擁護に向けての法案が議論されるようになった。政治、行政にとどまらず、LGBTという言葉をメディアで頻繁に見かけるようになり、カミングアウトした当事者・支援者を中心としたイベントも各地で活発に行われている。企業や学校でも、LGBTの当事者が支援や配慮を受けられるような取り組みが始められている。しかし、一方では、多くのLGBTの当事者が、今もなお、社会や家庭のつながりの中で偏見や差別を恐れ、ひとり悩みを抱え、自尊感情の低下、高い自殺念慮自傷率に代表されるようにメンタルヘルスへの影響も危惧されている。
メンタルヘルスの分野では、ここ十数年の間は、もっぱらトランスジェンダーを精神病理概念として捉える「性同一性障害(性別違和)」に対する医学的対応に関心が注がれてきた。精神医学や心理学の専門誌でも、同様の状況であった。しかし、本誌では、昨今のLGBT概念の日本における進展を鑑み、精神病理概念としての性同一性障害にとどまらず、幅広い意味での性自認に関連するトランスジェンダー、および、性指向に関連するLGB(同性愛、両性愛)を包括的に捉え、メンタルヘルスに関心をもつ読者に有用な内容となることを目指した。LGBTに共通するセクシュアリティの多様性の概念にふれるとともに、それぞれの違いも示し、その広がりと深さを立体的に見ていくことを狙いとした。執筆者は医療関係者にとどまらず、当事者や支援活動を行っている方々にも加わっていただき、さまざまな角度から多面的に捉えることにした。本誌により、日本におけるLGBTの理解と支援がより進展していくことを期待したい。




LGBTの概念と現状
 セクシュアリティLGBT………針間克己 P8-13
 セクシュアルマイノリティの権利保障をめぐる世界と日本の動き………山下 梓
 ゲイ・バイセクシュアル男性のメンタルヘルス………日高庸晴
 性別違和の受診状況と人口割合………大島義孝・佐藤俊樹
LGBTへの支援と広がり
 精神科医療におけるLGBへの支援………平田俊明
 心理職によるLGBTへの支援………金城理枝
 看護におけるLGBTへの支援………藤井ひろみ
 子どものLGBTへの支援を考える………遠藤まめた
 世田谷区における性的少数者支援の取り組み………上川あや
 職場におけるLGBTへの支援………村木真紀
 LGBTHIV………生島 嗣
●性別違和への医療的支援
 トランスジェンダー概念と脱病理化をめぐる動向………東 優子
 「性同一性障害に関する診断と治療のガイドライン」と診療の実際………松本洋輔
 性別違和の精神科臨床における心理職の役割………石丸径一郎
●エッセイ・LGBT支援の現場から
SHIPにおけるLGBTへの支援:星野慎二・長野 香/
東京レインボープライドが果たす役割:杉山文野
LGBT成人式の果たす役割:藥師実芳・下平 武/
LGBT、子どもをもつ・子どもと暮らす:青山真侑

こころの科学 189号 特別企画:LGBTと性別違和

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