渋谷区条例案は同性婚に向けてのRLEである。

下記の朝日新聞世論調査を見ても、渋谷区の条例案は、うまいな、と思う。
同性婚」については賛否分かれても、「結婚に相当する関係」と認める証明書、であれば賛成多数となる。
これなら、保守派も反対しにくい。
また、同居や、病院での面会などに問題点を絞っていて、「養子縁組」「生殖補助医療を用いての親子関係をもつ」といった、議論が紛糾しそうな問題は避けている。
もしこれが「同性婚法」のような最終決定的なものであれば、中途半端だと当事者も反対するだろうが、条例なので、当事者も最初のワンステップとしか思わないので、当然賛成する。
実に巧みな提案である。


また、渋谷区長が、もともと自公推薦候補だったというのも、心強い。
自民党も反対しづらいのではないか。
特例法で、法律撤廃の議論もなかったり、各種アンケートで同性愛には冷淡な自民党も、性同一性障害には理解を示すのも、もともと特例法の提案が自民党からなされたことが大きいと思う。
自分で作った法律は守りたいものだ。


2006年、都城市男女共同参画社会づくり条例で「「性別又は性的指向にかかわらず」という表現が削除された。保守派の巻き返しによるものだ。
http://d.hatena.ne.jp/annojo/20060906#p1
つまり、立派な条例ができても、すぐに保守派につぶされては意味がない。


不十分なものであっても、全会一致で認められ、区長が変わっても持続されるものであってほしい。
世田谷区は保坂さんという、リベラルな区長だが、あまり理想に燃えすぎず、二番煎じでも、「渋谷区の自民党も賛成したので」といった感じで、やってもらえたらと思う。


もちろん、そういった妥協案のままでいいわけではない。
急に「同性婚」と言ったら警戒する日本人でも、それに準じたような制度で、慣らして行って、「特に問題ないじゃないか」という感じで、徐々に実現に近づくという感じでよいのでは。


本丸を攻める前には、まず堀を埋める、
あるいは、SRSの前には、RLEを、といった感じある。