「精子提供―父親を知らない子どもたち」拝読。
AIDをしている医師、両親、生まれた子供、に取材したもの。
かつては、父親が誰かわからないように、複数の男性の精子を混ぜて受精させた、とか、知らないことも多く驚いた。
一般の夫婦は、子供が自然に生まれると思って結婚するので、夫の精子が妊娠能力がないとわかると、困惑し、「普通の家族」となるべく、AIDを利用するという。
その点、FTMカップルのほうが、あらかじめ心の準備はできているのかな、と思った。
まだ子供に真実を伝えることのハードルは高いようだが、カミングアウト経験を積んでいるFTMのほうがその点ではよいのかなと思った。
生まれた子供に事実を伝えるかどうかの、医師や識者の議論は観念的だな、と思った。
海外ではレズビアンカップルで子供を持つ例も多数あると思うが、その子供たちは、当然AIDで生まれたことを知っているので、彼らがどう感じているか実証的に議論するべきだと思った。

- 作者: 歌代幸子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/07/01
- メディア: 単行本
- クリック: 8回
- この商品を含むブログ (9件) を見る